営業益6割減、「優等生ファナック」に灯る黄信号

貿易摩擦の長期化が直撃、受注が想定以下に

ファナックの2020年3月期の業績は、10年ぶりの利益半減となりそうだ(撮影:梅谷秀司)

「半年前から底ばいと言っていたが、今日の発表を見ると『底抜け』では」

10月28日、工作機械向けNC(数値制御)装置最大手のファナックが山梨県忍野村の本社で開いたアナリスト向け決算説明会で、アナリストから厳しい質問が相次いだ。

ファナックが同日発表した2020年3月期の連結業績予想によると、売上高は前期比20.6%減の5045億円、営業利益は同57.7%減の691億円となる見通しだ。7月に公表した予想値をそれぞれ197億円、22億円引き下げた。

10年ぶりに営業利益は前期比半減に

ファナックの営業利益が前期比で半減以下に沈むのは2010年3月期以来、実に10年ぶりとなる。

しかも、下方修正は7月に続いて今期2回目だ。7月には様子見姿勢の他社に先んじて下方修正を発表し、米中貿易摩擦による設備投資需要の悪化に対して厳しい見方をしていた。しかし、ファナックの山口賢治社長は28日に「貿易摩擦は長期化し、受注は想像以上によくない」と述べ、事業環境は7月よりさらに悪化しているとした。

ファナックに限らず、工作機械業界は低迷が続いている。米中貿易摩擦が本格化した昨年秋から中国の製造業が設備投資に慎重になったことが要因だ。山口社長は「ここが底ではないかと思いたい」と強調したが、中国の景気刺激策では期待ほど需要は回復せず、回復時期の先送りが続いている。

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