多世代が住む中野区の「コンパクトな街」の凄み 医療・介護との連携、多世代居住などを実現

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イベントは「リブインラボ」を中心に実施されていた。エントランスホールでは音楽系の出し物などが行われており、「江古田の杜」の入居者やその子どもたち、若い子育て世代の家族連れ、高齢者など多世代の人たちの姿が見られた。

「リブインラボ」で行われていた催しの様子(筆者撮影)

カラオケルームでは、お年寄りと幼い子ども、その親が参加して、歌を通じた交流を楽しんでいた。普段はサ高住にお住まいの方が中心となって立ち上げられたカラオケサークル「青空会」の活動拠点になっているという。代表者の男性にお話を伺った。

「これまでは周辺地域を含む高齢者を中心とした集まりでしたが、今後はより幅広い世代、より多くの方々との交流ができるようになるとうれしいですね。今回のイベントはそのキッカケになると思います」と話されていた。

「江古田の杜」では、このような住民の方が主体となったサークルがほかにもいくつかある。例えば、分譲マンションにお住まいの女性が立ち上げたヨガサークルもその一例だ。その女性は共働きで子育て中の方である。

お話を伺うと、「サークルで出会った人たちは同世代の方のほか、年上の方もいらっしゃいます。そのため子育ての悩みを相談できるなど、さまざまなことにメリットを感じており、結果的にここに住んでよかったなと思っています」とおっしゃっていた。

地元NPOがコミュニティー形成を後押し

「文化祭」のほかにも、親子向けイベントや音楽会などの催しが行われている。こうした取り組みを支えているのが、地元NPO法人「ZEROキッズ」だ。中野区で約25年活動してきた団体で、江古田の杜に活動拠点を移し、キッズルームやイベントの運営をしている。

理事長の佐々木香さんは、「キッズルームは1日に60~70人の利用があり、休日にはお父さんの姿もよく見られます。また利用者の内訳を見ると地域の方々のほうが多いです。これからは子どもたちのパワーで人と人とをつなぎ、多世代交流をさらに活発化させていきたいですね」と話していた。

多世代交流型を目指した街づくりは、コンパクトシティによるものも含め、各地で開発成功事例はあまり多くないようだ。そうした意味で、江古田の杜は貴重な事例であると考えられるため、今回詳しく紹介した。

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