苛立つサードポイント、ソニーへの圧力強化 投資ファンドにせまられる、ソニーの事業再編
ソニー・オン・セール
こうした積極姿勢も奏功したのか、サードポイントは昨年、投資家に対して26%ものリターンで報いた。運用額は100億ドルに及び、有力ヘッジファンドの一角に育っている。クリエイティブ・ストラテジーズ社の社長で著名アナリストのティム・バジャリン氏は「トップダウンで会社を変えていく投資家。株主のために最も有益な方法を採用するよう真正面から要求する」と、ローブ氏を評する。「ソニーの経営トップは、実力者の彼を無視できない」。今後は、自らを取締役に選ぶことも求めてくるだろう。
サードポイントが圧力を強めれば、ソニーは事業売却を急ぐ。そこで注目を集めるのもまた、投資ファンドだ。
今回、ソニーがパソコン事業の売却先として選んだ日本産業パートナーズは、02年にみずほ証券、NTTデータ、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが共同で設立したファンド。大企業の事業再編や中堅企業の事業再構築支援を行っており、累計の投資案件は10件を超す。12年3月期にはみずほフィナンシャルグループの関連会社から外れ、独立系ファンドとして活動中だ。
「ソニー社内には小粒ながら有力な事業も多い。これからもいろいろなものが売られる可能性が高いため、まさにソニー・オン・セール(=ソニー販売中)。ファンドからの注目も高まっている」(外資系証券会社幹部)
サードポイントとの攻防戦が激化する中で、投資ファンドにとっても、大きなビジネスチャンスになっているのだ。ソニーは好むと好まざるとにかかわらず、切り刻まれつつある。
(撮影:Getty Images =週刊東洋経済2014年2月22日号〈2月17日発売〉の核心リポートでは8ページにわたるソニー緊急特集を掲載しています。全編は週刊東洋経済をご覧ください)
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