秋もケチケチ「フリー切符」さらにお得に使おう パス2種類「合わせ技」でより安く旅できる

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最後に、新潟、山形、仙台などから中京圏へ移動する際にお得な「組み合わせ技」を紹介する。

首都圏と上信越、南東北エリアのJRと一部の地方私鉄が乗り放題の「週末パス」(8880円)と、JR東海全線に加え近隣の地方私鉄が乗り放題の「乗り鉄たびきっぷ」(8610円)を組み合わせることによって、往復割引乗車券よりも運賃を安くできるのだ!

例えば仙台―名古屋間の往復乗車券は2万680円、往復割引で1万8600円だが、「週末パス」と「乗り鉄たびきっぷ」の合計は1万7490円だ。これなら1110円もお得になり、しかも乗り放題だから寄り道しても同じ値段だ。どちらも土休日の連続する2日間有効なので、軽めの旅行にもいいだろう。

ただし「週末パス」はあくまでJR東日本の切符なので、東海道新幹線の東京―熱海間は利用できない。この区間は特急「踊り子」などを使うことになるが、時間はかかるがこれも悪くない。

両方を組み合わせて使う場合、購入については注意したい。JR東海の「乗り鉄たびきっぷ」はフリーエリア内でのみの発売のため、東日本エリアから入る場合は熱海駅新幹線乗換口で購入する必要がある。利用開始日でも購入可能だが、利用する期間の初日、つまり土日に使う場合は土曜までの発売だ。一方、JR東日本の「週末パス」は、フリーエリア内のみで利用前日までの発売のため、東海エリアから往復する場合は事前に買っておく必要がある。

これらに限らず、各種のフリー切符などを購入・使用する際は、駅やJRのサイトなどで発売場所や期間をよく確認しよう。

ケチの美学に磨きをかけろ!

ちなみに筆者はGWの旅行の際、浜松―静岡、静岡―三島、三島―横浜と、区間分割に乗継割引も組み合わせて特急券代を大幅に安く済ませた。三島駅の改札でこれらの切符を見せると、駅員は「そこまでするか!」と驚いていた。

いかがだったであろうか。前回の記事では「消費増税前に切符を買うという大事な方法が書かれていない」とのコメントがあったが、よく言ってくれた!と思った次第である! 山本太郎氏の街頭記者会見により、消費税の大半が社会保障ではなく、大儲けしている企業の法人税減税の埋め合わせに回されていることが明らかとなった今、ケチにならずして何になると言うのだろうか!?

共感いただけた方はぜひご一緒に、ケチの美学を磨き抜こうではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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