中田敦彦が「YouTubeの世界」でも成功した必然 「失敗を恐れない姿勢」が彼の本当の才能だ

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ほとんどの社会人は、会社や業界の中にある既存のルールに従って生きている。なぜなら、そのほうが楽だからだ。そこで常識とされていることをいちいち疑ったり、それに逆らったりするのは面倒だし、他人に怒られたり嫌われたりするリスクもある。だから、無意識のうちにルールを受け入れてその範囲内で行動している。

芸人にも同じことが言える。プロの芸人の多くは「芸人の美学」という暗黙のルールの中で生きている。芸人とはこういうものだ、お笑いとはこういうものだ、こういうことをするのは芸人らしくない――。具体的な条文があるわけではないのだが、多くの芸人が従っている業界の不文律は確実に存在する。

「ルールに従わない」からチャンスをつかむ

だが、中田はそれに縛られない。むしろ、なぜルールに従わなくてはいけないのか、その外側にチャンスがあるのではないか、というふうに考える。だから、枠から一歩はみ出して、そこに活路を見いだすことができる。

例えば、オリエンタルラジオの出世作となった「武勇伝」は、「デンデンデンデ……」と歌って踊りながら2人が舞台に現れ、そのままリズムに乗って最後まで進んでいくという異色のネタだった。今でこそリズムネタというのはメジャーになったが、ここまで徹底してリズムをベースに敷いたネタというのは当時は画期的だった。

また、「Perfect Human」も、ネタ番組に呼ばれたのにあえてネタを披露せず、ダンサーを引き連れて歌とダンスのパフォーマンスを本気でやり切る、というおきて破りの行動から人気に火がついた。ネタ番組でネタ以外のことをやるのは芸人としては邪道であり、「逃げた」と思われても仕方がない。だが、オリエンタルラジオは見事にチャンスをものにして、「Perfect Human」は空前の大ヒットを記録した。

中田の最新刊『中田式ウルトラ・メンタル教本 好きに生きるための「やらないこと」リスト41』(徳間書店)を読むと、彼のメンタルの強さの秘密がわかる。この本では、中田流の「くじけないメンタル」と「冷静な思考」を手に入れるために、やってはいけないことが41項目に分けて述べられている。

内容としては「変化を恐れない」「まわりの評価を気にしない」など、ほかのビジネス書にも書かれていそうな項目も多いのだが、その説明の仕方に中田独自のクセがあり、読ませるものになっている。

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