埼京線、「相鉄直通新ダイヤ」は便利か不便か 本数減る武蔵浦和―大宮間は快速も全駅停車

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この埼京線のダイヤ改正は、さいたま市議会でも問題となり、一部の市議はこの改正をとくに問題視している。沿線住民の間でも話題になっているという。

11月末のダイヤ改正から埼京線に乗り入れる相模鉄道(相鉄)の新型車両12000系(撮影:梅谷秀司)

新しいダイヤは、池袋―赤羽―武蔵浦和間では「改善」の要素が大きいだろう。列車本数は変わらず、運転間隔は短くなる。一方、武蔵浦和―大宮間は運転間隔が均等化されるものの、一部の列車が削減される。

だが、現在各停しか停まらない駅はとくに変化がない。各停が減る分を快速の停車でカバーするため、日中1時間あたり6本という本数は変わらないし、都心方面へ向かう場合、乗り換えなしで快速を利用できるようになるという利点も生まれる。

本数削減の影響を受けるのは、現在は日中1時間あたり9本が停まる与野本町駅の利用者と、武蔵浦和から大宮方面へ向かう利用者だろう。

武蔵浦和を境に「段差」

首都圏のJR線の中でも混雑する路線として知られる埼京線だが、都心部から離れれば利用者数は減る。武蔵浦和から大宮、そこから川越線の川越までは比較的空席も目立ち、時間帯によっては10両編成を持て余すという状況もある。

武蔵浦和―大宮間の駅の乗車人員は、埼京線のほかの区間に比べると少ない。中浦和は1万3340人、南与野は1万8758人、北与野は1万298人、快速停車駅の与野本町も1万5479人(いずれも数値は2018年度)と、どの駅も1万人台だ。一方、池袋―武蔵浦和間で1日乗車人員が2万人を下回るのは北赤羽(1万9046人)だけで、武蔵浦和を境として利用者数に段差がある。

つまり、武蔵浦和―大宮間についてはラッシュ時以外は比較的空いており、快速を停めることで本数削減分を補えば、日中は本数を減らしても問題ないと判断したのだろう。停まる列車の本数が減るのは、実質的に与野本町だけだ。同駅は埼京線の現在の快速停車駅の中ではもっとも利用者が少ない。

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