埼京線、「相鉄直通新ダイヤ」は便利か不便か 本数減る武蔵浦和―大宮間は快速も全駅停車
本数削減によって大宮発着の本数も減るが、同駅から赤羽、池袋、新宿方面へは埼京線だけでなく、湘南新宿ラインも利用できる。
大宮駅には、新宿駅に向かうにはどの列車が早いかを表示する掲示板がある。新宿駅にも同様の掲示板がある。どちらが早く着くかは発車時間に左右されるが、埼京線快速と湘南新宿ラインは、現状では所要時間はほぼ同じだ。
ダイヤ改正で埼京線の本数が減り、さらに武蔵浦和―大宮間の各駅停車化で所要時間が3分延びれば、湘南新宿ラインのほうが多くの時間帯で優位となるだろう。JRとしては、大宮から都心方面への利用は湘南新宿ラインを中心とし、埼京線は沿線輸送という役割分担を図る考えもあるかもしれない。
利用者が少なく10両編成を持て余すのであれば、本数を減らさずに「短編成の列車を区間運転させればいいじゃない」という考えの人もいるかもしれない。私鉄では、利用者の少ない区間や時間帯に短い編成の車両で運行する例が見られる。しかし、埼京線は全列車が10両編成での運転だ。現在の車両のラインナップでは、そういったことはできない。
相鉄直通を機に「最適化」か
JR東日本の場合、1つの路線では同じ形式・編成の車両を運用し、区間によって本数を変えて需要の違いに対応するケースが多い。埼京線の近隣を走る京浜東北線を見るとわかりやすい。全列車が10両編成だが、大宮―南浦和間は日中1時間あたり6本、南浦和から都心寄りの区間は11本程度と本数に差をつけて利用者数の違いに対応している。
ちなみに、大宮―南浦和間各駅の1日乗車人員はすべて2万人を超えており、埼京線の武蔵浦和―大宮間各駅よりも利用者が多い。
こういったことから、JRは武蔵浦和で「段差」をつくっても一定の輸送力は確保できると考え、さらに湘南新宿ラインとのすみ分けも考慮して、一部区間の減便と快速の武蔵浦和以遠各駅停車という措置に踏み切ったといえる。
埼京線は開業以来、快速停車駅はずっと変わらなかった。相鉄線との直通開始という大きな変化のタイミングに合わせて路線の現状を見直したことが、新しい埼京線のダイヤという結果につながったのだろう。
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