「夢があっても一生実現しない人」の最大理由 僕が「サードドア」で本当に伝えたかったこと
19歳の若者がアソシエイトになったのは僕が史上初めてのことで、当時は大きなニュースになりました。『フォーブス』誌や『フォーチュン』誌などにも取り上げられるようになり、それがきっかけでほかのベンチャーキャピタルも若手のアソシエイトを雇うようになりました。『サードドア』はそういった意味でも、架け橋になっていたと言えます。
ベンチャーキャピタルでは、投資のことやテクノロジーなどを学んで、とてもいい経験をしました。ただ、そこで働いている間も、いちばん注力していたのは、やはり本を出版することでした。そこは会社も承知のうえで雇ってくれていました。数年働いた後で、100%執筆に集中することになり、退社しました。
ここで得た大きな学びは、2つのことを同時にうまくやり遂げるのは難しいということ。力を分散させるより、やはり1つのことに注力するほうがいいと考えるようになったのです。
お金と哲学、人生にはどちらも重要
――実業の世界でお金を儲けるより、人文や哲学の分野に興味があるということでしょうか?
お金と哲学。どちらも一生のものですから、明確に分けて考えられるものではないと思います。お金を稼ごうという考え方がなければ、ベンチャーキャピタリストになっても、うまくやっていけません。お金を稼ぐことと哲学をすること、人生には両方が必要だと思うんです。
僕はこう考えています。『サードドア』は、幸福とは何かを考える本として捉えてもいいし、お金持ちになるための行動を学ぶために使ってもいい。また、自分の生き方を変えていく手段としての参考書にしてもいい。自分のやりたいことや目標をどのように見つけ、それを掲げるのか。どうやってそこにたどり着けばいいのか。その手助けになりたいと思っています。
アメリカ人でも日本人でも、若者は夢を持ちます。でも誰もが同時に、それを本当に実行していいのかという葛藤も抱えているんです。だから「どんどんやっていいんだよ」と彼らの背中を押してあげられる本を書きたかった。
まずは自身の葛藤を乗り越え、そうしてはじめて外の世界に向かって挑戦していき、課題を乗り越えることができるんだよと語っているのです。『サードドア』は自らの恐れを乗り越える本であると同時に、自分に挑戦への許可を与える本なんです。
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