「夢があっても一生実現しない人」の最大理由 僕が「サードドア」で本当に伝えたかったこと

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一方、アメリカでは、オーディオブックが急成長しています。ただ、まず活字で読んでから、オーディオブックで聞くという人が増えているようです。著者にとってはありがたい現象です(笑)。『サードドア』も、僕が自分で全文を朗読したオーディオブックがあります。オーディーオコーチにトレーニングを受けて、『サードドア』のために作られたオリジナルな間奏曲も入っています。

『サードドア』はある意味で完璧な本

――『サードドア』の出版以降、今のバナヤンさんがさらに書き加えたいと思われることがあれば、お聞かせください。

この本は、ある意味で完璧なものだと思っています。もちろん「不完全な完璧さ」という意味です。この本の重要なところは、18歳の若者が書いたということです。27歳になった今の僕がなにか書き加えるとしたら、もっと脚色してドラマチックにしますし、複雑な感情や、そのときに得た学びも詳しく書き込むでしょう。でも、18歳という人生のある時点において書かれたというのが『サードドア』のよさなんです。

人間の脳は痛みを忘れるようにできています。成功者や高齢者の方々が過去を振り返っても、10代の頃の自分がどんな恐れや痛みを抱いていたかはあまり思い出せません。18歳の僕は、まわりの誰も選ばないような道をわざわざ歩んで、なんでこんな本を書こうとしているのかという恐れや苛立ちを抱えていました。この本には、そんな若者の痛みがとても新鮮に投影されているんです。

出版後は、各所でのスピーチやポッドキャストなどを通して、この本の続きをさらに更新しています。僕のSNSやウェブサイトを見ていただければ、読者の方がさらに進化した情報を得られるようになっていますよ。インスタグラムも、本の続きを読むようなものになるようにと考えて更新しています。アレックス・バナヤンの物語が、その後どのように展開していくのか、みなさんに楽しんでいただきたいですね。

「大きなビジョンを持ち、小さなステップを踏む」。本には書かなかったのですが、ラッパーのピットブルにインタビューしたときに、彼が教えてくれた南米の有名な格言です。目標を掲げることも大切ですが、同時に周囲を見渡して、その時々に合った対応をすることも大切です。そして、とにかく今を楽しむことです。

僕のような人がもっと増えてくれたらいいなとも思っています。僕もほかの人に触発され、影響を受けた結果、今があります。ですから僕も、若い世代の人々のために、もっと勇気を持って行動できるような新しい波を、起こしていきたいと思っているんです。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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