プリウスが復権!?日産ノートを逆転した理由 4月に首位に返り咲き、カギは最新装備の充実
2017年にプリウスPHV(プラグインハイブリッド車)がモデルチェンジをして2代目となり、母体は現行プリウスだが、外観の造形はより洗練された姿となっていた。前型プリウスにもPHVはあったが、トヨタは積極的に販売してこなかった経緯がある。
だが2代目となる新型プリウスPHVは、明らかに販売増を意識した外観の造形と、性能の面でも飛躍的な進化をもたらしてきていた。ことにその外観を見た人々は、プリウスPHVの造形により好感を覚えたのではないだろうか。発表会場で、トヨタの内山田竹志会長は、「次世代車の次の本命」と、プリウスPHVを紹介している。
そのプリウスPHVに似た造形が、マイナーチェンジにより昨年12月に発売された現行プリウスにもたらされた。それまで、同じトヨタ車同士で5ナンバーのハイブリッド車アクアにも先行される場面のあったプリウスが、4月にノートを逆転すると、7月まで1位を走った。
安全支援の面でも機能が充実
マイナーチェンジ後のプリウスは、2代目プリウスPHVで搭載された大型の液晶画面を室内に採用したことも、先進感覚を前進させた。専用の通信機をすべての車種に標準装備したことで、クラウンやカローラスポーツでトヨタが力を入れはじめたコネクティッドカーの価値を、プリウスも手に入れた。
これは、単に見栄えとしての新しさのみならず、プリウスが初代から位置付けられてきた次世代車としての機能がトヨタでの最先端に並んだことを意味する。オペレーターによる支援や、最新の道路情報を基にした走行ルートの検索などを、グレードの区別なく利用できる。
ほかにも、安全支援の面で、昼間の歩行者を検知する衝突軽減ブレーキや、車線維持を支援するハンドル機能と警報、前を走るクルマに追従して走行できるレーダークルーズコントロール、そしてハイビームを積極的に利用できるオートマチックハイビームを組み合わせた装備を、これもどのグレードでも注文可能にするなど、運転中の不安や負担を減らす機能が充実した。
これに対し、ノートのe-Powerは、これまでの2年ほどでいったんは消費者へ行き渡った状況があったのではないか。タクシーにも、ノートe-Powerを見かけるようになり、それは2代目プリウスが大きく販売を伸ばしたとき、数多くのタクシーに採用されたのに似ている。そしてプリウスは、2代目から3代目へとフルモデルチェンジした。
数字的にも、このところ対前年同月比の販売台数で100%を下回る様子がノートには出てきており、この点からも行き渡り感はみえてくる。
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