プリウスが復権!?日産ノートを逆転した理由 4月に首位に返り咲き、カギは最新装備の充実

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それ以外にも、プリウスのマイナーチェンジで充実された運転支援が、日産車の中でノートにはまだ装備されていない。プロパイロットと呼ばれる運転支援機能は、すでに軽自動車のデイズでも搭載できるようになった今日、プリウスとの競り合いにおいて、ノートの1つの弱点となる可能性はある。

実は、トヨタのアクアもノートと同様だが、私自身、執筆に際して装備を再点検した折、ノートにプロパイロットが搭載できないことに驚いたほど、世の中に浸透した装備であり名称ではないだろうか。

運転支援機能を普及させるため、日産はミニバンのセレナにまずプロパイロットを装備する展開をした。ハイブリッド車としてのe-Powerは、ノートにまず採用されたあと、今日ではセレナにも車種追加されていることからしても、プロパイロットの一日も早いノートへの採用が、消費者のみならず販売面でも望まれるところだろう。

最新装備の充実度が販売動向を左右する

クルマの安心・安全や快適機能の採用は、早い循環で装備されることが望まれる時代となっている。最新の装備の充実度が、今後どの自動車メーカーにおいても販売動向を左右する要因になっていくのではないだろうか。

昨年9月にマイナーチェンジをして、それまでは3列シートの車種のみであったトヨタのシエンタが、2列シート車を追加するなどし、以後、じわじわと販売台数を増やしながら対前年同月比で100%超えの販売をし続け、今年8月にはプリウスさえ上回って同月1位の販売台数を獲得したのである。

マイナーチェンジしたプリウスの後ろ姿(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

トヨタは、マークX(かつてのマークⅡ)やエスティマ、そしてプレミオ(かつてのコロナ)の整理を行うことで、車種を絞り込みはじめている。一方、新型カローラではスマートフォンとの接続をより容易にし、積極的に利用できる液晶画面とTVのセット化や、運転支援の機能の充実に力を注ぎはじめている。最新装備を充実すると販売動向が動くという1つの象徴的姿として、マイナーチェンジを受けた現行プリウスにみることができるのではないだろうか。

自動車メーカーの新車開発の仕方も、例えばマツダでは新機能を毎年のように各車種へ展開し、順次素早く充実させる取り組みをはじめている。このように、数年先の動向を見極めながら、自社開発する新技術や新規機能を、新車発売後も素早く搭載できるよう事前に準備をしておく新車設計が、これからより一層求められる。装備や機能の充実が、毎月の販売台数の順位を左右するようになっていくのだろう。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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