凱旋門賞「頑張れ日本!」でも外国馬を買う理由 なぜ競馬は「万馬券=穴狙い」がお得なのか?

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横綱と対決するからこそ、まともに当たるのではなく、例えば立ち合いに変化する、あるいはけたぐりのような奇襲的戦略が必要になる。それが競馬でいえば、万馬券のような大きな配当を目指す穴狙いである。

狙いは知名度の低い外国馬

さて、話を10月6日の凱旋門賞に戻そう。先ほども述べたように日本馬が過剰に売れるならば、狙いは外国馬。日本で売る海外の馬券は、常に外国馬から買う方が有利なのである。とりわけ、日本では知名度が低い外国馬がオッズ的にはお得になる。

今年の凱旋門賞には日本のファンにもおなじみのエネイブルという、3連覇を目指す牝馬が出走してくる。凱旋門賞の歴史上、3連覇は過去に一度もなく、いわば歴史に挑むことになる。ただ、エネイブルは日本でもすっかり有名になっており、恐らく断然人気が予想されるだけに妙味はまったくない。エネイブルが強いことは間違いないが、4年前にも同じく3連覇を目指し断然人気を集めたトレヴが敗れているのも気になる。

そこで狙いとなるのは、エネイブル以外の外国馬だ。8月のインターナショナルSで日本のシュヴァルグランや海外の強豪を一蹴した3歳馬、その名も「ジャパン」はどうだろうか。まだ3歳の同馬だが、管理するA・オブライエン調教師は日本でもおなじみで、3年前には凱旋門賞で1~3着独占という快挙を成し遂げている腕利きだ。日本勢の前に立ちはだかったのはジャパン、という皮肉な結末も考えられるかもしれない。

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また、筆者が特に注目しているのは、地元フランスの3歳馬ソットサスだ。ソットサスは、今年のフランスダービーを圧勝、前哨戦となるニエル賞でも、馬群に包まれながら最後に抜け出して勝利を収めた。日本馬との対戦実績もない分、知名度は低く、馬券的にも狙いどころとなるのではないだろうか。

凱旋門賞を皮切りに、今後は国内でも続々とG1レースが行われる。普段は馬券を買わない「ライト層」でも、ビッグレースだけは買うという方も多いことだろう。「その際には是非、新聞予想などで印の無い馬でも思い切って買う勇気」を持ちたい。

株式や為替などに限らず、経験者のアドバイスが意外と役に立たないのは、競馬も同じである。万馬券、穴馬券を仕留めるために最も大事なことは「買う勇気」である。当たり前のことだが、買わなければ当たらない。凱旋門賞では是非「日本馬を買わない非国民的な気分」で、外国馬を狙ってみてほしい。

TARO 競馬ブロガー、評論家

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たろう / TARO

1984年生まれ。人気競馬ブログ『TAROの競馬』主宰。中学2年時にネット掲示板で予想公開を始め、2004年に開設したブログ『TAROの競馬』を開設。メルマガ「回収率向上のための競馬ノート」は、多くの読者に支持されている。2016年に発売された『回収率を上げる競馬脳の作り方』(扶桑社新書)は増刷を重ねるベストセラーとなった。鋭い観察眼で現代競馬を見つめるトップ予想家の一人。著書は他に『万馬券の教科書』(ガイドワークス)『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社新書)『ラッキーゲート』(KKベストセラーズ)。立命館大学卒。

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