LayerXが体制刷新、「重い産業」をどう変える 福島CEOが語るブロックチェーン業界最前線

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――レイヤーエックスで研究している企業として、NTTデータや野村総合研究所(NRI)などを挙げています。

僕自身、彼らの出しているブロックチェーン関連のレポートをたくさん読んでいるし、中の人ともさまざまなディスカッションをしている。古くから銀行・証券系のシステムを作ってきた会社だけに、エンタープライズ向けサービスの経験や技術力は圧倒的だ。

一般には旧態依然とした会社というイメージを持たれているかもしれないが、ブロックチェーンの研究開発もかなり先進的で、相当ノウハウがたまっていると思う。

一方でリスクを取ってベンチャー的に事業を立ち上げていく、そういう面では僕らに分がある。というか、そこで勝てないと僕らを選んでもらう理由がない。

競合というより、近しいことをやっている、でもやり方が違うパートナーになれればと。ブロックチェーン活用、ことにエンタープライズ領域は、これまでのネットサービスと違い1社では完結しない。確実に他社のサービスが絡む中で、どう協調していくかがカギになる。

ネットベンチャーは成熟産業

――ご自身のnoteでは「次の10年」という、スタートアップにしては少し長めの時間軸を強調されていました。

1990年代、インターネットが出てきたころのベンチャーも、やっぱり10年先を志向していたんじゃないかと。今のネットベンチャーはある種、成熟産業化している。

事業立ち上げはこういうやり方で、宣伝投資を踏むのはこういうタイミングで、5年でIPOしましょう、みたいな。ほとんど定式化されてきて、優秀な人ならあまりリスクも取らずに成功できるようになった。それはそれでめちゃくちゃいいことだけど、レイヤーエックスが挑むブロックチェーン領域、しかも重厚な社会システムの変革はそうはいかない。

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