LayerXが体制刷新、「重い産業」をどう変える 福島CEOが語るブロックチェーン業界最前線
銀行、証券、不動産、物流……。これまで抜本的なデジタル化が進んでこなかった「重い産業」に、ブロックチェーンで革命を起こす挑戦が始まっている。
ブロックチェーン関連事業を手がけるLayerX(レイヤーエックス)は10月2日、今後の事業拡大に向けた経営体制の刷新を発表した。スマホゲーム開発のエイミングでCFO(最高財務責任者)を務めた渡瀬浩行氏、ネット広告・ベンチャー投資事業などを手がけるユナイテッドで取締役を務めた手嶋浩己氏をはじめ、新たに取締役3人(非常勤含む)、執行役員2人、監査役1人を選任した。創業者の福島良典CEOは、「これだけの人材が集まるスタートアップはメルカリ以来では」と自信を見せる。
グノシー代表を外れ、ブロックチェーンに集中
レイヤーエックスは2018年8月の創業。以来、ブロックチェーン事業を展開してきた。具体的な案件や内容についてはまだ対外的な発表がほとんどないが、複数の金融機関や事業会社への関連のコンサルティング、システム開発・運用を行っているほか、これら企業との共働事業開発プロジェクトも進めている。昨年11月には、日本マイクロソフトとパートナーシップも締結した。
もともとは情報キュレーションアプリ「グノシー」を運営するグノシーと、 決済・フィンテックサービスを提供する エニーペイが50%ずつを出資する合弁会社として立ち上がったレイヤーエックス。グノシーの創業者で当時CEOも務めていた福島氏は、レイヤーエックスの創業・社長就任と同時にグノシーの代表から外れ、ブロックチェーンの新事業に集中する格好になった。
さらに今年7月には、福島氏がグノシー、エニーペイ両社の保有する株式の9割超を買い取るMBO(経営陣による買収)を実施。当時の東洋経済のインタビューで福島氏は、「自らオーナーシップを持ち、これまで以上に、120%の力でレイヤーエックスの事業にコミットしていく」と意気込みを語った。
レイヤーエックスが最初に目をつけコンサルや開発の事業拡大を模索していたICO(仮想通貨による資金調達)は、各国の規制強化を背景に市場が一気に縮小してしまった。一方で、エンタープライズ向けのブロックチェーン活用ニーズは高まっており、同社もこの領域に軸足を移している。グノシーとはまったく違う、重厚長大な企業・産業を相手とする事業で、どう存在感を高めていくのか。福島CEOに聞いた。
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