日本人がやってしまう英語の「ダサいあいさつ」 NBA渡邊雄太選手が、英語を習得できたわけ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アメリカの場合、フォーマルなときとそうでないときのけじめのつけ方が日本以上にはっきりしているということもこちらに来て知りました。

例えばNBAの場合、選手が公の場でスラングを含めたののしり言葉(swear word)を使うと、数百万円単位の罰金を科されることがあります。それほど公私の線引きが厳格なのです。

とは言っても、何十億円も稼いでいるスター選手の中には、罰金などお構いなしに好きなようにののしり言葉を使いまくっていたりするので、その点はいかにもアメリカ的で面白いなと思います。彼らは罰金が数千万円になっても一切気にしないのです。

ちなみに、僕はいつも気をつけて答えているので、いまのところ公の場でののしり言葉を口にして罰金を科されたことはありません。

語学力は誰でも伸ばせる

渡米直後の生活は慣れないことの連続でしたが、ホームシックになることは幸いありませんでした。これはやはりバスケットボールの存在が大きかったと言っていいでしょう。普段の生活では困ることばかりだったのに、バスケットボールのコートにいると、日ごろの苦労から一気に解放されました。

もともとバスケットボールはアメリカから日本に伝わったので、日本で使われるバスケットボール用語のほとんどは英語です。そのため、コート上で交わされる英語に関しては、だいたい理解できました。コート上の僕は、打って変わって比較的自由にコミュニケーションが取れたのです。

バスケットボールがあったからこそ、僕はチームメートともすぐに打ち解けられ、彼らと四六時中会話を交わすうちに、英語もしゃべれるようになりました。

自分としては、大好きなバスケットボールに打ち込んでいただけなのに、それを介して英語力さえも習得することができたのですから「バスケットボールに巡り合えてよかった」と僕はいつも感謝しています。

『「好き」を力にする』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

こんな話をすると、「バスケットボールの才能があったから、最良の環境に恵まれて語学も習得できた」とか、「自分には参考にならない」と思う人もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。

誰であっても、得意なものや好きなものが1つや2つはあるはずです。音楽でもいいし、アニメやゲームでもかまいません。要は何でもいいのです。

SNSが普及し、さらには趣味のグローバル化が進んだ今、「得意分野」や「好きな趣味」さえあれば、外国の人たちと簡単に出会えますし、外国語でのコミュニケーションだっていくらでもできます。あとは、積極的にコミュニケーションを取るか取らないかの問題だけです。

「ずば抜けた語学の才能がなくても、自分の好きなものや趣味を通じて、いくらでも語学力は高められる」

僕は自らの体験を振り返って、そう強く実感しています。

渡邊 雄太 NBAプレーヤー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ ゆうた / Yuta Watanabe

1994年10月13日生まれ、香川県出身。2011年、史上初めて高校生(尽誠学園高校)でバスケットボール男子日本代表に選出。2016年、全米大学バスケットボール招待大会(NIT)優勝 。2017年、Atlantic 10 All-Defensive Team受賞。2018年、Atlantic 10 Defensive Player of the Year受賞。同年7月、メンフィス・グリズリーズ保有の「NBA契約選手」となり、10月27日(現地時間)のフェニックス・サンズ戦に出場し、日本人2人目の「NBA選手」となる。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事