人々が選挙に関心を持つには、政治に参画して街や暮らしを変えたいとか、社会を変えたいという思いが必要です。しかし、政治家はそうした思いを醸成するような活動をしてきませんでした。それが、今までの政治の間違いだったんではないかと思います。
右肩上がりで世の中が明るかった時代は、むしろそれでよかったのかもしれません。が、そろそろ役割を変えて、普段から市民の皆さんに政治に参画をしてもらえるような場を作り、一緒に問題を解決して、成功体験を共有していただく。そういう役割が政治に求められてきていると、私は考えています。
私の地元では、街づくりは自分たちの力でという考えの下、私が市民団体を作り、さまざまなアイデアを考えています。地方の悩みは若者が町を出て帰ってこないことです。私の地元では、働く場所も教育も医療もあるのに、なぜ人口が減ってしまうのか、それが課題でした。
私はエンターテインメントがないことが、その原因の1つだと考えました。そして、遊べる場所を作ろうじゃないかということでプロジェクトを始めました。
そこに180人ぐらいの大学生が集まり、社会人も集まってくれています。そこから政策提言し、市と国が予算をつけ、新しいバーベキュー場やスケボーパークなどができました。そして、そこに関わった人材が新しいプロジェクトを始めています。それは、今までの政治家陳情モデルとはまったく違います。
政治と行政はパートナー
一方で、政治と行政の関係も変わっていくべきです。行政の政策を待っているだけの政治家でよいのか、ということです。そして、優秀である官僚の皆さんが、本来の能力を発揮できない環境になっていることも問題です。働き方ですね。あまりにも忙しすぎます。
私は昨年まで総務大臣政務官を務めさせていただきましたが、本来、5年後、10年後の社会を考えなければならない官僚の皆さんの両手が目の前の仕事でいっぱいになっていました。が、働き方改革をスタートしたところ、今般、話題になっている携帯電話市場改革や、放送での新規参入などのさまざまな政策を作り出すことができました。
政治は行政のパートナーであり、そこを丁寧にマネジメントする責任があると思います。やることは簡単です。「やめる」ことを決めればよいだけでした。例えば、総務省では水を買うのに5つもハンコをもらうことが必要でした。そこに、政治が目を向けていなかったんです。