元・千葉ロッテ荻野忠寛が歩んだ野球以外の道

スポーツと選手の意識を高めるための活動

設立趣意書によると、

戦後の「体育」教育の名残が残る日本のスポーツ界において、とりわけスポーツ活動現場では、教育方針や指導方針がアップデートされず、現在にはそぐわないことが多発している。大学アメフトやボクシング、体操、相撲、野球などで起こった事件は、指導者の「無知」に原因があるとし、スポーツメディカルコンプライアンス協会は、指導者、保護者への正しい知識、日々アップデートされている症例などを専門の医師やプロアスリート、専門家などによりプログラムとして作り上げ、それを学び、実践し、周知していく活動をする。

とうたっている。荻野忠寛の「スポーツセンシング」の理論も当然、組み込まれていく。

一般社団法人スポーツメディカルコンプライアンス協会の中野司代表(筆者撮影)

代表の中野司は、元はスポーツマネジメント会社を運営。荻野とは千葉ロッテマリーンズの選手のマネジメントを通して知り合った。

アメリカで育ち、現地の高校野球の経験もあった中野は、帰国後、自分の子どもを少年野球チームに入れようとして愕然とした。

専門的な指導の知識も、トレーニング法も知らない指導者がパワハラまがいの指導を行っている。

とても、子どもを預けるわけにはいかないと痛感し、旧知の荻野らと協会を設立するに至った。

・講演活動
・eラーニング
・ライセンス発給
・スポーツにおける現状の調査、公示
・環境改善に関する研究
・医学的側面によりケガ防止に対するプログラムの構築
・国、地方自治体、政府に対するスポーツ現場の報告、陳情提出

などの活動を通して日本のスポーツ界を変革していく。野球ひじ治療の第一人者である古島弘三医師(慶友スポーツ医学センター長)も、趣旨に賛同し、特別顧問に就任した。

スポーツを通じて子どもたちの未来を守る

来年の東京オリンピックに向けて、スポーツビジネスを盛り上げる機運は高まっている。その一方で、スポーツをする子どもたちを取り巻く環境は旧態依然としている。「勝利至上主義」が横行し、子どもの健康被害は今も続いているのだ。

荻野は日本のトップリーグで活躍した、という貴重なキャリアがある。困難な道ではあるが、それを単なる「勝利」のためではなく、「スポーツを通じて子どもたちの未来を守る」という異なる目的のために生かそうとしている。

(文中敬称略)

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