違いを「善悪」で考えると、うまくいかない
さらに、福本さんが続けて教えてくれた。
「インド人の多くは、自分の考えがうまくいくにはどうしたらいいか
って考える。他人じゃなくて、いつも自分が最初にくる感じ。
自力で何でも解決しようとするし、自分のやり方がすべて。
そんなの和を重んじる日本人の感覚的には、ちょっと……みたいな
感じじゃん? だから、インド人のやり方は、おれたち日本人の常識で
計れないことが多い。この違いを『善悪』で考えてしまうと、
それは悪だ!ってなっちゃうよね。でも、インド人は別に悪いことを
しているつもりはまったくない。これが彼らのやり方であり、これこそ
文化の違いとも言える。それを日本の基準で考えて、悪だ!って、
これではうまくいかないよね」
確かに。
言われてみれば、短いながらもここに住んで、仕事をしている中で、
日本の常識で見ればめちゃくちゃなものも、ただの『違い』だって
見た瞬間、なんでも普通に思えてくる。スッとカラダに入ってくる。
最初の頃、信じられないことの数々が、時間が経って驚かなくなるのは、
そういうことのようにも思える。
言われてみれば、とても基本的なことかもしれないけれど、
それができるかできないかが、すべてなのかもしれない。
話を聞きながら、赤ワインも、スッとカラダに入ってきた。
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