ジミー・ライ氏が語る「香港騒乱」のゆくえ 普選なしでは香港は永遠に中国に鎮圧される
――7月21日には、過激化した一部の若者が中国政府の出先機関である中央政府駐香港連絡弁公室に押しかけ、中華人民共和国の国章に黒ペンキを投げつけました。この後、すべての抗議活動が非合法となり、抗議活動は過激の一途をたどります。
中国から見れば7月21日が分水嶺と見えるかもしれないが、若者にとっては香港特別行政区政府に衝撃を与えるのが最大の目的であり、過激化はその闘いの手段にすぎない。この過激化を私は問題ないと思っている。
彼らの行動は慎重で、モノを破壊しても、人に対して暴力を振るっていない。警察の暴力がエスカレートし、彼らはそれに反撃しているだけなのだ。
勇武派と呼ばれるグループは空港を占拠し、大陸から潜入していた記者を殴った。しかし、それは大きな間違いだったので、彼らはすぐに謝った。この若者たちは理性的で優秀だ。彼らは自分が何をやっているかを十分理解し、わきまえているから何も心配していない。
8月18日には大雨の中にもかかわらず、170万人もの市民が抗議活動に集まった。抗議活動に対する支持は減っていない。
普通選挙の要求は当たり前のことだ
――デモ側の当初の要求は条例改正の撤回、逮捕者の即時釈放とラム長官の辞任の3つでした。それが、抗議活動が過激化するに伴い、2014年の雨傘運動で勝ち取れなかった普通選挙などを加えて「5大要求」へと拡大させました。
3カ月経った今、普通選挙がなければ未来永劫、中国に圧力をかけられ、鎮圧されると市民が悟った。だから、普通選挙を要求することは当たり前のことだ。
香港はもはや、かつてのような国際金融センターではなくなりつつある。中共(中国共産党)がわれわれの法治を取り上げたら、香港は金融センターの地位を失うことになると多くの香港市民は危惧している。そして、少なからぬ香港人が他国に移住するブームが始まった。
最大の問題は香港市民が香港特別行政区政府を信頼できなくなったこと。言い換えれば、香港政府が香港を管理できなくなっているということだ。
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