ngi groupのベンチャー投資減損は今期拡大へ、抜本的対策が不可避
ベンチャー投資や携帯電話関連システムなどを手掛けるngi groupのベンチャー投資損失が拡大しそうだ。1月末の08年4~12月期発表時点の見通しから3億~5億円程度膨らむ見通しで、今2009年3月期の最終損益は会社発表の3.6億円の赤字から、8億円程度の赤字に拡大すると「東洋経済オンライン」は予想する。
来10年3月期もベンチャー投資の減損は続きそうだ。投資先企業の業績動向によるが、現在の経済環境が継続すれば10億円程度の減損の計上は迫られそう。子会社・フラクタリスト<3821>を主力とする非投資部門の利益や、単体部門の大幅な縮小によるコスト削減効果では埋めきれないため、現在約4000株保有するミクシィ株を売却することでカバーする。最終損益はゼロ近辺となる見込みだ。
これまでngiは、ミクシィ株の売却益を原資に、ベンチャー投資を行い、その収益で成長するビジネスモデルを描いていた。しかし、上場以後、ミクシィを除くと目立った投資成果は上げられず、景気の急激な冷え込みと金融環境の悪化で、投資の回収が困難な事態となっていた。頼りのミクシィ株も、株価は35万円程度に下落、保有数も4000株程度となり、単純計算で14億円程度にまで細っている(実際には一部売りヘッジを掛けているので実際の評価額はもう少し大きい)。
こうしたことからngiは、大幅なリストラに着手。社長交代のほか、本体人員も60人程度から希望退職で10人程度まで減らすなど急激なスリム化を進めた。人員縮小に伴うオフィス面積削減なども合わせ、年間5億円程度のコスト削減が見込まれる。
もっとも、現時点でのリストラはミクシィ株枯渇に備えたコストカットにとどまり、将来的な展望は描けていない。ngiの場合、連結子会社群も完全子会社は少ないため、自社が完全にコントロールできる事業は、投資事業以外に無いのが実態だ。その投資事業が事実上、ストップしている状況では独自の「事業」が無いようなものともいえる。
来10年3月期以降、有力子会社の完全子会社化や、事業運営を目的とした新たな会社の完全買収などを模索していくことになりそうだ。
(丸山 尚文)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 7,775 2,653 2,498 735
連本2009.03予 9,000 1,750 1,200 -800
連本2010.03予 5,000 1,000 1,000 0
連中2008.09 4,201 880 768 255
連中2009.09予 2,800 700 700 0
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 6234 1200
連本2009.03予 -6476 650
連本2010.03予 0.0 0-300
連中2008.09 2107 650
連中2009.09予 0.0 0
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