メイド・イン・ジャパンとメイド・バイ・ジャパン
伊藤忠ドールの掲げる2つ目の柱「ライセンスビジネス」は、他社にドールブランドの使用権を付与する事業だ。これは韓国メーカーが作るヨーグルトで、すでに商品化され、実績がある。この事業では、商品にドールのブランドロゴが使用されるだけでなく、品質管理や時には原材料、製造方法にまで入り込むこともある。消費者は「ドールは果物の会社だから、おいしいフルーツがたくさん入っているものだ」という印象を覚え、売れ行きも好調だという。
最後の「国内農業の活性化」については、日本のイチゴやリンゴなどの果物農家と契約し、できた果物を海外市場に向けて売っていく。ドールが策定する基準を満たした生産者に種や資材、肥料などを提供し、農家には作ることに集中してもらう。出来上がった果物は「メイド・イン・ジャパン」であり、ドールブランドであるため、「ほかとそうとう差別化できる」という(山村氏)。さらに、日本の高い技術とノウハウを海外の地場の生産地に移植した「メイド・バイ・ジャパン」の加工品を展開することも選択肢のひとつ。「日本の農業は、TPPでこれからどうなるかわからない。日本の農業が産業化され、競争力を持ち、生産者の方々の収入が上がっていく、そのお手伝いをしていかなくてはいけない」(同氏)。
取材中、よく飛び出したのが「クオリティ」という言葉だ。これは、米ドール創業者ジェームズ・ドールのモットー「クオリティ、クオリティ。クオリティ」を2人が引用したもの。創業者の思いを、アジアでは日本の伊藤忠ドールが引き継ぎ、「バナナとパイナップルで世界ナンバーワン」(山村氏)を目指す。
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