ABCクッキングが遠隔料理教室を行うワケ NTTドコモ傘下入りで通信を活用したサービスを加速

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香港スタジオに中継したグローバルレッスン。講師の手元をカメラが追い続ける。香港の生徒はスクリーンに映る日本の映像を確認しながら作業を進める。

テレビ通販、有機野菜の宅配、CDショップ、ファッション通販…。ここ数年、積極的に異業種の買収を進めてきたNTTドコモ。矢継ぎ早に買収を仕掛けるのは、主力の通信事業の鈍化を見据え、新たな収益源を模索しているからだ。2015年度までに、コンテンツ配信やネット通販、金融などのサービス分野で売上高1兆円を目指すという野心的な構想を掲げている。

そんなドコモが次の一手として選んだのが、料理教室最大手の「ABC Cooking Studio(以下ABC)」だ。両社は昨年4月から業務提携し、タブレットを活用したレッスンなどで実験を進めてきた。今年1月にはドコモがABCの運営会社「ABC HOLDINGS」の株式51%を取得し、子会社化している。

ABCは関東を中心に全国で128のスタジオ(料理教室)を持つ。ショッピングモールや百貨店などの商業施設にテナントとして入居しているケースが多い。会員の大半は20~30代の若い女性で、毎週教室に通うアクティブ会員は現在28万人を誇る。海外も北京、上海、香港で6店舗を展開している。

遠隔レッスンなどに注力

目下、ABCが注力しているのは、スマ―トフォンやタブレットを使った遠隔レッスンと動画コンテンツの配信だ。多くの会員を抱えるABCだが、近くにスタジオがない地方ではレッスンを受ける機会がなく、また、一度レッスンを体験しても、仕事や家庭の都合などで通うことを断念してしまう会員も多いという課題を抱えていた。一段と事業を拡大していくためには、これまでのような、リアル店舗だけの展開では限界がある。そこで、ドコモと連携して、家庭へもタブレット端末でレッスンを提供できるようにし、旗艦スタジオのレッスンを中継する形で、地方や海外でも出店できるようにする、といった仕組み作りを進めてきたのだ。

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