香港デモの若者を市民は見放しつつある 中国人観光客は9割減、繁華街は閑古鳥が鳴く
「あと一時間で閉店なんだけど、よろしいですか?」
香港夏の美味、黄油蟹(バター・クラブ)で有名なレストランSは、100人以上が入れるお店にもかかわらず、ガラガラだった。中年の女性店員はいきなりため息交じり。黒シャツ隊が抗議活動を過激化させてから、1カ月以上、週末は閑古鳥が鳴いているという。
「こんな状態が続けば、(店は)やっていけなくなる。103万人、200万人デモには自分も参加したが、今はもう平和的なデモではない。地下鉄駅の券売機、自動改札を破壊し、警察に対して消火器を放ち、火炎瓶を投げる。これは暴動ではないのか。それよいも何よりも地下鉄が止まっていては仕事が終わってから何時に帰宅できるのか」
週末の夜になると繁華街で黒シャツ隊が暴れまわる結果、外食中心で週末は家族、友人と団欒の食卓を囲む香港人は繁華街に足を運ぶことができなくなっている。
これ以上の妥協が許されないラム長官
デモ側が掲げる5大要求のうち、完全な普通選挙は2014年の雨傘運動時に掲げられた要求だった。しかし、結果は敗北に終わり、この最大目標を手にすることはできなかった。それを新たに要求に付け加えたのだ。
しかし、香港の「土共」元幹部は「ラム長官はこれ以上妥協できない。行政長官は北京の下の中間管理職そのもの。これまで水面下で何度も辞任を(北京政府に)申し入れたが、認められていない。そんな彼女にどれだけの権限があろうか。今回の撤回も北京に散々お伺いを立ててようやく許されたものだ」と、今後を展望する。
土共とは、香港、マカオで中国共産党によって教育を支援された貧困家庭子女。共産党は彼らによって構成される集団を香港、澳門の各界に配備してきた。香港、澳門で最も最も中国情報に通じ、中国の怖さを身を以て知る集団である。
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