香港デモの若者を市民は見放しつつある

中国人観光客は9割減、繁華街は閑古鳥が鳴く

香港「逃亡犯条例」改正案の撤回後も混乱は続いている。「5大要求」を意味する5つの指を掲げ、抗議のデモ行進をする人々(写真:AP/アフロ)

中国への犯罪者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定に端を発した香港の騒乱は大詰めを迎えつつある。

香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)長官は9月4日、逃犯条例改定を完全撤回すると表明した。しかし、デモ側は「撤回はあまりにも遅すぎた」として受け入れず、デモ中に新たに付け加えられた完全な普通選挙や逮捕者の釈放などの「5大要求」がすべて受け入れられるまで徹底抗戦すると、対決姿勢をさらに強めている。

香港競馬の売り上げ、入場者は前年割れ

「キャリーはなぜ来ない!」

沙田(シャティン)競馬場でオープニングデーを待ちに待った香港の競馬ファンは9月1日、天にとどろくような怒声を発した。

香港版のJRA(日本中央競馬会)にあたる「香港ジョッキークラブ」(HKJC)は、中国への返還前、香港政庁、ジャーディン・マセソン商会、香港上海銀行を財力と実力で上回る「影の大班(トップ)」と呼ばれた。

HKJCは古くから行政長官を名誉主席に迎えてきた。オープニングデーには「香港特区行政長官盃」がメインレースに組まれ、行政長官がトロフィーのプレゼンターとして来場する慣例が続いてきた。しかし、今夏の混乱を受けて、行政長官は来場できなくなった。

「長官が来場すれば、競馬場で暴動が起きかねない。前任の梁振英は2014年の雨傘運動の勃発直後、厳戒態勢のなか来場したが、今回の混乱は当時とは比べものにならない」とHKJCの理事は言う。

オープニングデーで毎年、売り上げと入場者の記録を更新し続けてきたHKJCは今年、売上、入場者とも前年割れの不名誉な数字を記録した。

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