税務調査は怖くない?
実際の税務調査についておうかがいします。この会社はあやしいぞという情報はどうやって得るのですか?
税務署には情報収集する部隊がいるんです。たとえば、銀行で取引を確認して、あやしい入出金があると、それを情報化し署内で共有していきます。
あとは税務調査のときに、A社がB社に対して外注費を1500万円払っているということ把握し、メモしておき、この情報を流しておきます。そうすると、B社の税務調査のときに、A社に対する売上がゼロであれば、どちらかがウソをついているんだな、と想定されますよね。
税務調査に入って、修正申告にならないと調査に入った職員はがっかりするのですか?
まさにその通りですね。ですから何も間違いが出ないときには、企業がおみやげとして、少しの申告漏れを差し出すケースもあります。
ある会社に調査が入ったとき、非常に経理がしっかりした会社でしたが、申告内容でグレーゾーンの箇所がありました。
「交渉によってはシロにすることもできますが……」と言うと、「いや、小さい金額なので、これで調査が早く終わってくれるのならべつにクロでいいです」と経理担当者が言うのです。
調査が早く終わってくれればいい、早く終わってほしい、という思いが企業にはすごく強いんですね。
税務調査が入ったときに特に気をつけなくてはいけないことはありますか?
社長を同席させるケースが多いのですが、事業のことになると、言わなくてもいいことをしゃべってしまう社長が本当に多いんです。たとえば3年前にこういう大口の取引があったんだけど……と話し出したので、3年前の帳簿を見ると、そんな取引は記録されていなかったり……。
資料を出しすぎ、話しすぎというのがいちばん問題です。
調査官がこういう資料を見せなさいと言ったら、それは見せなくてはなりませんが、そのとき気を利かせて、ほかの関連資料を見せたりする必要はありません。指摘されたものだけをピンポイントで見せればいいのです。
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