「急にガタがきた」体で密かに起きている大変化 不調の原因を加齢と決めつけるのは危険だ

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さらに背中の筋肉が衰えると、文字どおり背中は左右に「広がる」現象が起きます。これは背中を引き締めていた筋肉が、伸び切ったゴムのようになったから。肩甲骨が外側に開いてしまうため、背中が左右に広くなるのです。

体の前面や背面の変化は、どちらかの手や足、肩やひざの違和感などといった左右の変化に比べ、すぐには気づきにくいもの。とくに背中は自分では見えないため、知らぬ間に背中の筋肉がどんどん衰え、姿勢がくずれていきます。

姿勢がくずれるということは?

姿勢がくずれるということは、筋肉や臓器が本来あるべき位置からズレるということです。ズレた位置に引っ張られるわけですから、体にとっては負担がかかる状態になります。すると、その負担を軽減するために別の部位がサポートし始めますが、これは同時にその「別の部位」が本来の機能を超えて過剰に使われることを意味します。

「捻挫した右足首をかばって歩いていたら腰の左側が痛くなった」というのは、その典型です。こうして姿勢のくずれは、体のどこかに負担が集中する状態を生じさせ、痛みや不調を呼び寄せる体になっていくのです。

背中が「広がっている」かどうかを自分で把握するのは難しいですが、背中の筋肉の衰え具合を知る方法はあります。硬い床に仰向けになったとき、背骨やお尻の上部などの骨が当たって痛む場合は要注意。姿勢を保つ筋肉が疲労し、張りが失われているはずです。

さらに弱ると、お尻が垂れ、ひざは曲がります。これは体の弱った高齢者に多い姿勢ですが、最近は若い人でも腰からひざのラインがくずれた人が増えました。痛みや不調を呼び寄せやすい体かどうかに、年齢は関係ないのです。

では、痛みや不調を寄せつけにくい健康な人の体は、どんな特徴があるのでしょうか。まず、胸の上部に厚みがあります。腰にはアーチがあり、お尻の位置も高い。この特徴を備えていると、体の深部の筋肉が自然に使われ「引き締まった背中」ができます。

このように、見た目で体が不調を呼び寄せやすいかどうかがわかるのは背中ですが、ほかにもう1つ、体の状態が如実にあらわれる部位があるので、ご紹介しておきましょう。

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