米マイクロソフト新CEOにナデラ氏 ゲイツ氏は技術顧問、自分の時間の3分の1を充当
[シアトル 4日 ロイター] -米マイクロソフト
昨年8月に退任の意向を示していたスティーブ・バルマー氏の後任で、同社3人目のCEOとなる。
またビル・ゲイツ会長の後任として、ジョン・トンプソン首席社外取締役が就任することも明らかにした。
ゲイツ氏は取締役会にとどまるほか、新たに「テクノロジー・アドバイザー」のポストに就き、製品開発についてCEOに助言する。
インド出身のナデラ氏はマイクロソフトで22年の経歴を持つベテランで、同社のクラウドコンピューティング・サービス立ち上げなどを率いた。
同氏はビデオ声明で、革新の妨げとなるあらゆる障害を「容赦なく」排除することに注力すると言明した。
マイクロソフトはトンプソン氏を中心にCEO後継選びを進めてきた。関係筋によると、フォード・モーター
このほか、ノキア前CEOのスティーブン・エロップ氏なども候補に挙がっていた。
ハーバード・ビジネス・スクールのビル・ジョージ教授は、マイクロソフトの経営は三頭体制となり、それがどのように機能するかが多くを左右する、と指摘。「大きな疑問は、ナデラ氏が、マイクロソフトが必要とする製品面と人材面での変革を成し遂げられるかだ」と述べた。
基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や業務用ソフト「オフィス」などパソコン(PC)向け業務が徐々に侵食されるなか、マイクロソフトはモバイル・コンピューティング分野でアップル
バルマーCEOは昨年、ソフトウエアライセンス事業よりもモバイル端末および関連サービス事業を重視する戦略を表明。ノキアの携帯電話機事業買収のようなモバイル端末事業への多額投資をやめるか、アップルやグーグルに対抗できる新製品を開発するかのどちらかを望む投資家にこの戦略は不人気だった。
ファンド会社マックアダムス・ライト・レーガンのアナリスト、シド・パラク氏は、マイクロソフトの今後について、大局的に見ればさほど変化はないとし、昨年打ち出した戦略に沿って進むとの見方を示した。
FBRのアナリスト、ダニエル・アイブス氏はナデラ氏について、安全な選択だが、投資家の間ではソーシャル・メディアやモバイル・タブレット部門の競合が技術革新や成長面でマイクロソフトを追い越す可能性を懸念する声が強い、と述べた。
ゲイツ氏は4日、ビデオ声明で、ナデラ氏の求めに応じ、マイクロソフトの製品アドバイザーの仕事に自分の時間の3分の1を充てることにしたと表明。クラウドコンピューティングの知識を持つナデラ氏は新たなモバイル・コンピューティングの時代にマイクロソフトを率いるのに適任だとの考えを示した。ゲイツ氏は2008年にマイクロソフトの経営の第一線から離れ、慈善活動に従事していた。
マイクロソフトの株価は4日、0.4%安で通常取引を終えた。
*内容を追加して再送します。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら