「この資格があれば安泰」と考える人の大間違い

ココナラ社長が語る100年時代の「個人の力」

例えば、大学時代から弁護士を目指し、司法試験を3年間受け続けたものの、「今年もまた落ちた」という人がいたとしよう。「3年も勉強したんだから、無駄にしたくない。来年もチャレンジだ」これは一見、まともそうだけれど、この時点で3年間という「過去」に引きずられている。「過去を無駄にしない方法=司法試験に合格する」というかなり限定された条件づけをしているから、未来の自由度も、かなり狭くなっている。

もしかしたら弁護士以外のキャリアが向いているかもしれないし、そこで法律を勉強した3年間が思いがけず生きるかもしれないのに、その可能性を捨てているということだ。「過去は過去、未来は未来」と切り離すことができたら、もっと選択肢が広がったはずだ。より残念なパターンになると、「過去の編集」を行う。「弁護士はもう無理だから諦めよう。でも、勉強した3年間を無駄にしたくないから、企業の法務部に就職して活躍しよう」。

「3年も勉強したのに司法試験に落ちた」という自分にとっての嫌な過去が、「あのつらい3年間は無駄じゃなかった。今、法務で活躍するための大切な時間だった」と、うまい具合に編集できてしまうのだ。

自分に都合よく編集すると…

自分に都合よく編集すれば「私がやったことは間違っていなかった」という自己正当化ができるから、気持ちはいい。落としどころが見つかってホッとする。だが、本当にそうだろうか? 自分の過去を正当化するために、「法務部で成功しなければならない」と未来を決めるのは、順番が逆転している。過去の正当化を目的にキャリアを選択したら、長く働ける仕事にはならないだろう。

あくまで一例だが、多くの人が似たことをしている。「ずっと営業畑だったから、営業の経験を活かして転職しよう」という人は、同じく過去に縛られ、過去を正当化し、未来の自分を過去ありきで決めている。だが、「個人の力」は、あなたの過去ではない。「個人の力」は、あなたの価値観から生まれてくる。

80歳まで働くための「個人の力」の3大要素のその2は、自分の「価値観」を持つこと。営業畑だった人の例を、単純化して考えてみよう。「僕は人と話すのが好きで、コミュニケーションが得意だ。相手にいいものを勧めた結果、その人の人生がよりよいものになると思うとワクワクする」。

この人は、「人が好きでコミュニケーションが得意」というスキルの持ち主で、「人の人生をよりよくすることに貢献したい」という価値観の持ち主だ。これは単純な「営業スキル」とは似て非なるものだ。なぜなら、「営業スキル」は営業にしか使えないが、個人のスキルと価値観は、どんな仕事にも応用が効くからだ。

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