ウーバーは日本のライドシェアを断念したのか 日本のモビリティトップが語る「現実と期待」

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「フォワードディスパッチ」と名付けたテクノロジーでは、タクシー配車をリクエストした客に最も近い空車のタクシーだけではなく、もっと近くにいてあと少しで乗客を降ろす予定の別のタクシーと、どちらが早く客の元へ行けるかを計算して、早いほうのタクシーにリクエストを送るもの。客の待ち時間は少なくて済むし、ドライバーの生産性も上がる。

加えて、ライドシェアとタクシー配車で世界中どこでも同じアプリが使えるというのも大きな強みだ。

完全自動運転を実現するには時間がかかる

――とはいえ、東京ではハイヤーの配車だけで、タクシー配車には参入できていません。なぜでしょう。

東京は乗客となる可能性がある人がとてもたくさんいる。どのくらいのスケールで展開するか、パートナーとしてどこと手を組めるのかなど慎重に選んでいる。よいパートナーといい規模でやることが大事で、急いで参入しないといけないというわけではない。

仙台での配車時のアプリ画面(写真:ウーバーテクノロジーズ)

――例えば、ほかの都市で配車アプリで提携している第一交通産業は東京でも営業しています。第一交通と組んで参入する選択肢はありますか。

選択肢としてはありうる。ただ、ウーバーのブランドはすでに知られている。東京でウーバーが(タクシー配車を)やります、というのは大きなステートメントになる。だからこそ信頼性の高いサービスでないといけない。利用できるタクシーの台数も確保しないといけない。いろんな会社と議論しているが、決定を下すのに時間がかかっている。

――ウーバーは自動運転の開発を進めています。これによってドライバーの仕事を奪うことになりませんか。

それは考え方が違っている。もちろん、自動運転の開発は進めている。しかし、完全自動運転を実現するには時間がかかる。実現したとしても、長い移行期間が必要になるので、ドライバーはわれわれにとっては大切なパートナーであり続ける。

自動運転技術は、運転をより安全にする技術として使える。自動運転が仕事を奪うという話ではない。

中野 大樹 東洋経済 記者

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なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

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