日立が23年ぶり最高益へ 半導体製造装置などの電子装置などが好調
[東京 4日 ロイター] -日立製作所<6501.T>は4日、2014年3月期連結営業利益予想(米国会計基準)を前年比20.8%増の5100億円に上方修正すると発表した。従来は5000億円と予想していたが、半導体製造装置などの電子装置や自動車機器などが好調に推移していることを織り込んだ。
1991年3月期の5064億円を上回り、23年ぶりに過去最高を更新する。
中村豊明副社長は、計画策定時に中国の信託商品のデフォルト(債務不履行)懸念などがあったため「第4・四半期は少し慎重にみた」と説明。「第3・四半期がかなり良くなった中で、ここは大丈夫だろうというところを表(計画)に出した」と述べ、「最低限の目標」であることを強調し、上振れの可能性に含みを持たせた。
トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト20人の予測平均値は5269億円となっている。
このほか、売上高を9兆2000億円から9兆4000億円(前年比4.0%増)に、当期利益を2100億円から2150億円(同22.6%増)に、それぞれ引き上げた。
同時に発表した2013年4―12月期の連結営業利益は前年比27.4%増の2954億円だった。自動車関連などの高機能材料や建設機械などが好調で、10─12月期として過去最高を更新した。
<新興国・米国は楽観的>
市場では新興国や米国経済に対する不安が広がっているが、中村副社長は「新興国から先進国に金融収縮の連鎖が起きなければ想定通りの経済にいずれ戻ると思っている」と述べ、楽観的な見方を示した。
中村副社長は「中国でハードランディングがあれば、欧州や米国、アジアにも波及するので、こういうことがないような(経済)運営をG20などでもやっていくと思う。日本と違って中国はまだ財政状況は悪くないので、大丈夫だろう」と指摘。
米国についても、テーパリング(量的緩和縮小)で疑心暗鬼になる中で、1月の大寒波が重なったためにリスクオフモードになったとして「リセッションに入るとか、そういったことはまったく想定していない。それほど大きな問題が起きているとは思わない」と語った。
「米国の個人消費は国内総生産(GDP)の7割なので、マインドがマイナスになっていくとなかなか企業の活動はプラスにならないが、それほどではないのではないか」とみている。
同社は2009年3月期に国内製造業として過去最大となる7873億円の最終赤字を計上。その後、日立マクセルなどグループ上場子会社5社の完全子会社化を実施するなどグループ再編を進めるとともに構造改革を実施。収益体質の強化に取り組んできた。
(志田義寧)
*内容を追加して再送します。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら