競合から補完へ、変わる鉄道と高速バスの関係

特急や新幹線とバスの連携も各地で登場

このバスは新幹線と接続し、博多―新八代―宮崎間を最速3時間2分で結ぶ。ネットでの早期予約による割引運賃もあり、14日前までに予約すると宮崎―博多間が5000円で、フェニックス号(通常料金4630円、約4時間40分)にも十分対抗できる。

JR九州バスの車両は九州新幹線800系と同じ水戸岡鋭治氏によるデザインで、バスの号数も新幹線と統一し、新幹線との一体感を打ち出している。ここに鉄道と高速バスの単なる競争ではなく、補完・協調という新たな関係のパターンが見える。

さらに最近では、並行して走る鉄道と高速バスが接続し、減便した鉄道の輸送を補うというパターンも出てきた。

鉄道の減便を高速バスでカバー

JR四国・牟岐線の阿南―海部間と、阿佐海岸鉄道の海部―甲浦間では今年3月のダイヤ改正から、並行して走る徳島バスの大阪―阿南・室戸間の高速バスとの接続を図っている。

徳島県の徳島と海部を結ぶ牟岐線は、今年3月のダイヤ改正で徳島―阿南間のダイヤを、発車時間をそろえた「パターンダイヤ」として利用しやすくする一方、阿南―海部間については列車の本数を減らした。そこで、阿南駅などで列車とバスを乗り継ぎやすくし、減便した分を補おうというものだ。

高速バスは長距離路線のため、従来はこの区間内のみの利用はできなかったが、ダイヤ改正に合わせて一般の路線バスのように区間内の乗降を可能にした。

当初、徳島バスはJR四国から路線バス運行の打診を受けたものの、運転手不足などを理由に断り、アイデアとして出たのがもともと走っている高速バスを活用することだった。牟岐線・阿佐海岸鉄道との並行区間では、高速バスといえども高速道路がないので一般の道路を走っている。そこで、この区間を路線バスと同等の運行形態にしたわけだ。

駅と停留所は完全に重なってはいないが、主要な駅と一致する停留所に停車している。阿南では休憩をとり、運行中の遅れを回復できる仕組みになっている。なお路線バスとしての運賃は、鉄道より1割程度高い。

高速バスと鉄道は各地で競合する一方、このように協調しようという動きも最近は起きている。利用者としては、両方をうまく組み合わせて活用することで便利な移動の可能性が広がる。今後は、両者の協調によってきめ細かな都市間・地域間輸送を維持しようとする動きが各地で増えていくのではないだろうか。

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