LINEとヤフーに学ぶ、変化に強い組織創り
強い経営チーム・組織を創る(その2)

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川邊:パソコンインターネットで何かトラブルを起こすときは、最初にヤフーなわけですね。たとえば、課金してカードで詐欺をやったりする事件などは、色々なことが大抵ヤフーで起きて、警察の人が来て、「大変だ、再発防止策はどうするんだ」ということで、最初柔らかかったものが、どんどんどんどん硬くなっていったんですね。

川邊健太郎(かわべ・けんたろう)
ヤフー副社長兼最高執行責任者(COO)

青山学院大在学中に、ベンチャー企業の電脳隊を設立。2000年にヤフー入社後、Yahoo!ニュース、Yahoo!ニュース トピックスなどの責任者を務める。2009年にGyaO社長に就任。COO執行役員兼メディア事業統括本部長などを経て、2013年4月より現職。

ヤフーに関係なく、パソコンがデバイスとしてずっと強ければ、おそらくこのままだった、前のままだった可能性が高いですね。熊谷さんが宗教っておっしゃっていましたが、割にそうかなと思います。宗教のもう一つ触れられなかった特徴として、「あの世を売りにして今を統制する」ところがあるじゃないですか。地獄に行ったら怖いぞという。

それと一緒で、来るべきスマデバ、スマートフォンとタブレットの時代になった時に、「どう考えても主役はLINEだぞ。大丈夫かうちの会社は?」と。社員は、パソコンの強い会社に働いている意識が強くて、それで給料ももらって今も強いじゃないかという意識ですが、上の方は「あっという間に世の中が変わってしまう」という危機感を持っているわけです。孫さんと森川さんがiPhoneを売りまくってそうなっているわけですから。

先の地獄を皆で想像して今を変える。そうじゃなきゃ変わらないです。ヤフーなんて今利益が出ているわけですから。そこが結構大きかったかなという気がします。

岡島:宗教の研究をされている熊谷さんどうですか?

川邊:先の地獄を見据えて今を統制するというか、今を変えるということです。

熊谷:気づきませんでした、そこは(笑)。

川邊:ぜひ使ってください(笑)。

岡島:今日のお持ち帰りポイントということで(笑)。まさに危機感をどう作るかは、ヤフーさんもすごく難しかったのではないかと私も思っています。決して数字が悪いわけではなく、利益はどんどん伸びていたわけですから。

川邊:16期連続増収増益。

岡島:そうですよね。しかもこれだけ長いこと増収増益しているところで、「地獄がくるぞ」といっても効くものなんですか?

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