夏休み明け「勉強ができない子」を変える方法 ハイパフォーマーはこうして生まれる

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しかしながら、忙しい親がずっと関与し続けるわけにもいきませんよね。この夏休み明けの時期を用いて、子どもに勉強のやり方を改めて理解してもらい、自発的に机に向かう習慣を身に付けてもらいましょう。

親がうるさく言わなくても自発的に机に向かう子どももいます。その子たちは、すでに勉強のやり方もしっかり理解し、学習習慣が身に付いているために、「勉強しないと気持ちが悪い」状態になっています。おそらく彼らは、夏休み中もリズムを崩すことなく学習習慣を維持していたと思われます。

もっとも、そんな子は一部のハイパフォーマーであり、親が心配するまでもありません。ここでは、そうではない子どもたち、つまり、夏休みですっかりだらけてしまっている大多数の子どもはどうすればいいかについて考えてみます。

夏休み明けの子どもたちに、「いつまでもダラダラしていないで勉強しろ」と言うのは得策ではありません。

それをやっている限り「うるさく言われた→しかたなく机に向かう→飽きてしまってダラダラする→うるさく言われた→しかたなく机に向かう」という負のループから抜け出せません。すなわち、いつまでたっても自発的に勉強する子どもになりません。

ここは、もっと合理的な方法で、学習習慣を身に付けさせる必要があります。

子どもも大人も行動原理は同じ

あなたが、報告書を作成したり、顧客に営業活動を行ったりという仕事をこなせているのは、それが習慣になっているからです。もっと言えば、毎日歯を磨くのと同じような習慣になっているからです。

しかし、どんな習慣も最初から身に付いていたわけではありません。なかなかできなかったことが、繰り返しているうちにいつの間にかできるようになっただけです。

では、どうしてそれを繰り返したのでしょう。もちろん「繰り返したほうがいい」と思えたからですよね。だったら、子どもにもそう思わせてあげましょう。

例えば、「新しい漢字を3つ、10回ずつ書いて覚えていくこと」を、子どもが繰り返したほうがいいと思える大きな理由は、「それをやったらご褒美が受け取れる」からです。

ご褒美は物品である必要はありません。子どもにとって最大のご褒美は、親から褒められること

あなたは、「今日はこの3つの漢字を10回ずつ書いてみよう」と勉強のやり方を教えるだけでなく、子どもがそれをやったときに褒めることを忘れてはなりません。

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