西澤社長「GE、シーメンスに倍返しだ!」 三菱重・日立、火力発電設備の新会社が発足

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
幹部を前に訓示する三菱日立パワーシステムズの西澤隆人社長。時折ユーモアを交えながらも、「世界ナンバーワンになる」と何度も強調した

「われわれの目標は、火力発電分野で世界ナンバーワンになること。その実現には、三菱重工と日立が早期に融合し、シナジー効果を最大限に発揮していくことが必要だ」

三菱重工業と日立製作所を母体とする火力発電インフラの合弁新会社、三菱日立パワーシステムズが2月1日付で発足した。新会社の売上高規模は約1.1兆円(対象分野の2011年度実績合計)で、アジアや欧米など海外でのシェア拡大により、2020年までに年商2兆円規模の実現を目指す。

初営業日となった3日、横浜市みなとみらいの本社で、西澤隆人社長が幹部社員・約200名を前に訓示。冒頭のように発言し、一致団結の必要性を強く唱えた。

大型ガスタービンで世界3位

両社は2012年11月に火力発電インフラの事業統合で合意。両社からガス・蒸気タービンやボイラー、発電機など関連分野の設計・開発・製造・販売機能を切り離して新会社を立ち上げた。国内外の連結従業員数は約2.3万人で、子会社・関連会社は約60社に上る。新会社は三菱重工が出資比率の65%を握り、取締役11名のうち、社長の西澤氏をはじめ同社出身者が7名を占める。

もともと、三菱重工は火力発電インフラの国内最大手で、最大の武器はガス火力発電所の心臓部に当たる大型ガスタービンのノウハウ。技術的に難しい大型ガスタービンはメーカーが世界でも4社に限られ、三菱重工は米GE、独シーメンスに次ぐ世界3位(4位は仏アルストム)。その付加価値は高く、三菱重工の火力発電分野は年間1000億円近い利益を稼いできた基幹事業だ。

一方、日立は三菱重工が手掛けていない小規模発電所向けの中小型ガスタービンの生産を手掛けるほか、電気・情報系の運転制御技術を得意としてきた。その両社の事業統合で誕生した三菱日立パワーシステムズは、幅広い製品ラインナップを有し、海外の多様な電源ニーズに対応することが可能になった。

次ページなぜ統合したのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事