我も我も、日本の造船会社がブラジルに殺到 川崎重工業、IHIに続き三菱重工も出資

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22日都内で、ブラジルの新興造船会社と日本の5社が会見を行った

川崎重工業、IHIグループに続き、いよいよ造船業界の重鎮・三菱重工業もブラジルへと進出する。

三菱重工は10月22日、今治造船ら国内5社で連合を組み、海洋資源開発向け設備を手掛けるブラジルの新興造船会社、エコビックス・エンジェビックス社(エコビックス社)に出資すると発表した。経営への参画に加え、三菱重工を中心に数十名の技術者を派遣し、船体の設計・建造技術や造船所の運営ノウハウなどを供与する。

参画メンバーは三菱重工、今治造船、名村造船所、大島造船所、三菱商事の5社。現地に共同設立する特別目的会社を通じて、株式の30%を取得。出資総額は300億円で、中心的な役割を果たす三菱重工が半分を拠出する。エコビック社に対する実質的な出資比率は三菱重工が15%、他の日本企業は各々4%弱になる見込み。

日本勢がブラジルに熱い眼差しを向けるワケ

ブラジルでは2000年代半ばにリオデジャネイロ沖合いの超深海で大量の原油埋蔵が確認され、ペトロブラスが莫大な資金を投じて海洋油田の開発を進めている。必要となるドリルシップ(試掘・開発用の堀削船)やFPSO(浮体式の原油生産・貯蔵・積出設備)などの数も膨大で、同国ではこうした海洋開発・生産設備を自国企業へ優先的に発注する政策をとっている。

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