「暴力」が学校では「容認」されるおぞましい実態 指導の現場でなぜ暴力がなくならないのか?
率直に言うが、教育委員会が、生徒に暴力行為やパワハラをしていた教師、指導者を警察に通報せずに、組織内部で処分するのは、結果的にその教師、指導者を「組織で守っている」ことになるのではないか。そして、学校内での「暴力」「パワハラ」体質を教育界が温存することにつながっていないか?
暴力をふるわないと生徒が言うことを聞かないという声もある。しかし一般的に、暴力、パワハラは「指導力不足」だと見なされている。また、暴力をふるう教師、指導者の指導を受けた生徒は、指導者になって暴力をふるう傾向にある。「暴力、パワハラの伝統」は継承されていくのだ。
さらに暴力をふるう教師、指導者がいる環境では、生徒同士の暴力も十分に抑止できない。教育上いいことなど1つもない。
教育委員会にも求められる役目がある
日本の部活から本当に暴力を排除したいと思うのなら、教育委員会は内部で処分をするだけでなく、日本の法律に照らして問題がある行為については、警察に通報すべきだ。
身内に甘いといわれる教育委員会だが、そうした指摘を受けないためにも、外部の人々の意見も聞いて、教育委員会の責任で、暴力をふるった指導者を司法の手に委ねる必要がある。
東京五輪を来年に控えて、日本はスポーツ大国であることを内外にアピールしたいはずだ。そのひざ元で、スポーツ指導者が選手の人権を損なうような体質が温存されるのはあってはならない。
「学校の中で生徒に暴力をふるったりパワハラをすれば、罪に問われることがある」という意識が指導者に広がれば、部活の現場は劇的に変わるだろう。
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