「太郎と進次郎」、首相候補2人のライバル意識 3代かけての悲願達成か、2組目の親子首相か
今やライバル視される関係となった両氏だが、それぞれの父親との関係は対照的だ。初当選後、13年間にわたって父・洋平氏と親子で国会議員を務めた河野氏は、「父と私は別人格」が口癖で、洋平氏も「息子のやることには関知しない」と距離を置いていた。
洋平氏が持病の肝機能障害が重症化した際、太郎氏がドナーとなって自らの肝臓の3分の1を提供したが、外相就任後の河野氏の言動について、父・洋平氏は公式の場でも「俺に聞かないでくれ」と顔をそむける場面が多い。
一匹オオカミの河野氏、若き優等生の小泉氏
一方、小泉氏は大騒ぎとなった先の結婚発表会見でも「政治家としての父をまねするつもりはない」と語ったが、「一緒に温泉に行くなど、お父さんっ子で、常日頃の相談相手も父」(小泉氏周辺)とみられている。今回の滝川クリステルさんとの結婚についても、小泉氏が滝川さんを父と引き合わせた際は「(父も)涙ぐんでいた」(兄・孝太郎氏)とされるなど、政界でも「仲良し親子鷹」として知られる。
政治家としての歩みも大きく異なる。河野氏は徒党を組むことを嫌う一匹狼として独自の活動を展開し、「変人」「異端児」と揶揄されることが多かった。料亭政治などを嫌い、政治家や官僚との打ち合わせもハンバーガーで済ませるなど、従来の自民党政治家とは一線を画した。このため、初入閣も遅く、外相になるまでは本格的な総理総裁候補とはみられていなかった。
これに対し、小泉氏は初当選時から若さとルックスですぐさま人気政治家となり、父親譲りの弁舌とアピール力で安倍首相と並ぶ人気応援弁士として東奔西走。「若き優等生」(自民幹部)として瞬く間に「近未来の総理総裁候補」としての地歩を固めている。ただ、小泉氏は2012年9月の自民党総裁選と2018年9月の前回総裁選では、いずれも首相の対抗馬だった石破茂氏(元幹事長)に投票している。
また、安倍政権での河野氏の初入閣や外相抜擢の際は、当選同期でもある菅義偉官房長官が河野氏を強く推薦したとされ、党内では「河野氏の後ろ盾は派閥の親分の麻生氏ではなく、菅氏」との見方も広がる。
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