架線あるのに…「電車に乗れない」電化区間10選 走るのはディーゼル車ばかりでもったいない

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5)羽越本線の村上―酒田間

全線電化の羽越本線は、村上駅の北にデッドセクションがあり、それ以南は直流電化、それ以北は交流電化となっている。そのため特急列車は交直両用の電車が、貨物列車は交直両用の電気機関車が用いられている。

一方、普通列車に関しては、村上で折り返す新潟エリアの列車は直流用の電車が使用され、また酒田以北の普通列車は701系交流電車が使われている。そして、村上―酒田間は、デッドセクションを通過するため交直両用の電車が必要だが、以前から高価な車両の用意がなく、ディーゼルカーが用いられてきた。

2019年8月からは、新形式の電気式気動車GV-E400系が登場し、新たな車両がデッドセクションをまたいで活躍することになった。

宝の持ち腐れ?

6)磐越西線の会津若松―喜多方間

会津若松で進行方向が変わる磐越西線は、この駅を境に運行系統が分断されている。郡山と会津若松を結ぶ電化区間には電車が、会津若松と新潟方面を結ぶ列車にはディーゼルカーが主に使われている。ところが電化区間は、会津若松から新潟寄りの喜多方へも延びていることで話はちょっとややこしいことになっている。

磐越西線のディーゼルカー(筆者撮影)

電車として運行できるのは、会津若松以西に向かう列車の場合、喜多方止まりのみである。多くは、郡山から会津若松に到着して、そのまま喜多方まで足を延ばす列車となる。こうした列車は、それほど多くないので、この区間はせっかく電化されたのに宝の持ち腐れ状態だ。

喜多方が有名な観光地なので、首都圏から直通の電車を運行するつもりだったのだが、新幹線ができ、運行スタイルもすっかり変わってしまった。

喜多方を訪問する観光客が会津若松で必ず乗り換える必要がないのは便利ではあるものの、それだけのために電化設備を維持しているのは何だかもったいない気がする。

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