クールジャパン機構、見えない黒字化への道筋 新体制の下、国内外企業にハイペースで投資

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加藤氏ら企業投資の「プロ」が参画し、投資手法は洗練されてきたものの、クールジャパン機構を取り巻く周囲の視線は厳しい。

「今後新たな産投(産業投資)出資を行う場合には、産業投資と産投機関との間で、あらかじめ出資時に、明確な出資条件を定めることが必要である」

財務省の財政制度等審議会は今年6月、官民ファンドの運営資金の原資を供給している産業投資特別会計に関連し、こんな提言を行った。

「収益性に課題が生じたファンド」

クールジャパン機構や農林漁業成長産業化支援機構(通称A-FIVE)などの4つの官民ファンドは、「収益性に課題が生じたファンド」と位置付けられ、今年4月には収支計画を提出。今後も今年秋と2020年度、2021年度にそれぞれ計画と実績が検証されることになっている。

スマホ向けゲームアプリ開発・運営の「ワンダープラネット」へ投資したクールジャパン機構の北川直樹社長(左)(2019年7月、記者撮影)

財務省理財局の山本大輔・財政投融資企画官は「官民ファンドの解散・清算時に出資元本と資本コスト以上を回収するというゴールが危ういようであれば、改善計画をつくってもらうことになる。解散までゴールを達成できるかどうかわからないのでは困るので、今後も定期的、かつ継続的に早め早めの手を打っていくことが求められる」と語る。

投資ファンドはそのビジネスの性格上、最初に赤字が膨らみ、徐々に利益に転じていく「Jカーブ」と呼ばれる収益曲線を描く。たしかにクールジャパン機構は設立してまだ6年弱で、収益化の途上にあるとも言える。しかし問題は、2033年に解散する機構の清算時に、本当に黒字で閉じることができるのか、その道筋が今のところ見えていないことだ。

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