三越伊勢丹「クールジャパン」のあきれた実態

官民ファンドが出資する海外店での迷走劇

商業施設「Lot10」に入居する三越伊勢丹HDの店舗(写真提供:古谷経衡氏)

百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、公的資金が投入された海外店舗をめぐって迷走劇を演じていることが明らかになった。

三越伊勢丹HDは7月初旬、マレーシアの合弁会社「アイシージェイ デパートメントストア」(ICJ)を完全子会社化した。三越伊勢丹HDが約10億円(出資比率51%)、官民ファンド「クールジャパン(CJ)機構」(海外需要開拓支援機構)が9.7億円(同49%)を出資して2014年10月に設立されたICJは、クアラルンプールで店舗面積1万1000平方メートルの大型商業施設を2016年10月から運営してきた。

地元住民がそっぽ

この店舗は安倍政権肝いりの「クールジャパン戦略」に沿って、日本の伝統やポップカルチャーを発信するために日本の商品だけを扱う拠点として耳目を集めた。名付けて「伊勢丹 ザ・ジャパン・ストア」。が、ふたを開けてみると地元住民にそっぽを向かれ、業績が振るわない。2017年度の売上高はわずか16億円、営業損益は5億円の赤字だった。

結局、単独の自力再建を目指し、三越伊勢丹HDはCJ機構が持つICJの全株式を今回買い取った。

一連の動きはCJ機構が投資の損失が膨らまないように、早期に出口を模索したかのように映る。ただ、百貨店関係者は一様に首をひねる。「開業2年で十分な利益を出せる店舗なんてない。そもそもCJ機構は長期視点で事業者を支援することが売りの一つだったはず」(都内百貨店の社員)。

早期撤退の理由について、ある政府関係筋は「すべて三越伊勢丹HD側の事情」と語る。

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