クールジャパン機構、見えない黒字化への道筋 新体制の下、国内外企業にハイペースで投資
今年6月と7月には、日本酒関連のビジネスに立て続けに投資した。
「ワインと日本酒は消費者のプロファイルがよく似ている。クールジャパン機構とは共通のビジョンを持っており、お互いの強みを持ち寄って販売プラットフォームを強化していく」
中国・香港のワイン卸売「EMW」のエドワード・デュヴァル氏は、クールジャパン機構から約22億円の出資(実際の出資先はEMW社の持株会社であるTrio社)を受け入れた理由についてそう語った。
アメリカのミレニアル世代に日本酒を売り込む
2003年設立の同社は上海や北京などの主要都市に6拠点を展開。機構としては、同社の販売ネットワークを生かし、2018年現在で220億円程度にとどまっている日本酒の輸出を大きく伸ばしていくことを狙っている。
7月に11億円の投資を決めたアメリカの「Winc」への出資も、現地における日本酒ブランドの確立を狙ったものだ。
日本酒輸出のうち、アメリカ向けは約3割。同社が販売するワインのメインターゲットは、1ボトル当たり15~20ドルを支払うジェネレーションXないしはミレニアル世代で、そうした人たちに高品質な日本酒を売り込んでいくという。
同社のジェフ・マクファーレン氏は「今年末か来年初めに複数商品を用意し、3~4年かけて500万ドルの売り上げを目指していく」と期待する。
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