「赤字はダサい」好きへのこだわりが成功を呼ぶ 内田和成×遠山正道「仕事の発想力を磨く」

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内田:ちなみに、私の言うデータベースとは、本やアカデミックなものというよりも、町の中で何かを見たということでも構いません。

例えばあるとき、一流シェフと話をしたのですが、毎日、新しいメニューのことを考えるけれども、その延長上ではよいアイデアが出てこない。煮詰まって散歩に出たら、そこに咲いている雑草を見て、「ああ、こんな感じで料理を仕立てたらいい」と思いついたりすると。

そうやって日頃の仕事とは関係ないところでひらめくのは、コンサルタントが新しいアイデアを思いつくのと、すごく似ているなと思ったのを、意識して覚えておく。私の言うデータベースというのは、こうしたインプットです。

アウトプットがアウトプットを呼ぶ

遠山:それで言うと、私の場合は何かのインプットからアウトプットが生まれるというよりも、アウトプットがアウトプットを呼ぶことが多いですね。

例えば、最初に「チェーン」と「ミュージアム」という普通は組み合わせない言葉を、発言してみる。誰かに言ってしまうと、それが何かを呼んできて、情報が入ってきたり、自分でもアイデアが思いついたりするんです。

昔、トライアスロンをやったことがあるのですが、溺れそうなときには、息を吐けと言われました。そうすれば、息が吸える、と。何かを出せば、入ってくるわけです。

内田:遠山さんはすべて1人で思いつくのでしょうか。それとも、誰かと話しながら思いつくのでしょうか。

遠山:その両方ですね。誰かとブレストしながら思いつくこともあります。

内田:誰かの発言からヒントを得たり、自分の投げた球が投げ返されてきて、それが面白かったり、つまらなかったり、ちょっと違うということで、考えが進化することもありますよね。発想力を磨くためには、自分のアイデアやクリエーティビティーがどういうときに発揮され、うまい具合に進化していくのかというパターンを理解することが大切だと思います。

内田 和成 コンサルタント

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うちだ かずなり / Kazunari Uchida

東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(アメリカ『コンサルティング・マガジン』)に選出された。2006年より2022年まで早稲田大学教授。著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』(以上、東洋経済新報社)などが多数。

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遠山 正道 株式会社スマイルズ代表取締役社長

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とおやま まさみち / Masamichi Toyama

1962年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、1985年三菱商事株式会社入社。2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。現在、「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイ専門店「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファミリーレストラン「100本のスプーン」、コンテンポラリーフード&リカー「PAVILION」、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」を展開。「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。著書に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるというビジネスモデル-PASS THE BATONの軌跡』(弘文堂)がある。

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