長い夏休み中「フランス」社会はこう回っている 8月はできれば病気になりたくない?

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エマニュエル:このシステムは夏のバカンス中でしか適用されているのを見たことがない。多分、これ自体は珍しくないし、世界中どこでも使われていると思うんだけれど、フランスの場合はバカンスが3週間と長いために、これが会社での出世につながるいい機会にもなるんだ。

例えば、入社したての若い社員がバカンス中の上司たちの不在中に彼らの仕事を引き継ぐことで十分に自分の裁量を発揮させることができたとすれば、会社内での評価も上がり、出世につながるいい機会になる。バカンス中の人手不足の解決方法として、若手社員を信頼して仕事を任せるということだ。

バカンス中にインターン生を多くとる企業や行政機関も多い。インターンの採用はフランスでは非常に盛んに行われていて、7、8月に、大量に募集されるのを利用して企業での経験を積もうと考える学生はたくさんいる。

警察と軍隊は自由にバカンスを取れない

くみ:8月はほぼ何も動かないよね。でも、だからこそできることもたくさんある。例えば夏前に新しい仕事に就いたら、しばらくは焦らずゆっくり時間をかけて仕事を覚えることもできる。バカンスの時期をずらして、8月はパリにとどまってバカンス中の同僚の仕事も引き受けていたとしても、全体の仕事量はそんなに多くならないから、仕事が終わった後でも日の長いパリの夏を満喫できるよね。

エマニュエル:じゃぁ、バカンス中の治安はどうだろうか。警察も夏のバカンスを取るのか、そして住民がいなくなった町での空き巣対策はどうするのかについて話そう。

警察と軍隊はフランスでは唯一自由に夏のバカンスを取ることが許可されていない職業なんだ。休暇の申請は上層部が厳重に管理し、休暇の許可は状況によって判断されることになる。数年前、要人の警護を担当する警察官たちが1000時間もの未消化の休暇があると不服を申し立てたことが話題になったことがある。

バカンス中の住民が少なくなる住宅街は、警察が車で定期的に見回りを行っている。あらかじめ警察に夏のどれくらいの期間不在にするかを伝えておくと、その住居を重点的に見回りしてくれるサービスも行っている。そのほかにも隣人や友人や家族に不在中の家に花の水やりや郵便物の処理などを頼んで空き巣の対策を取っている人も多くいる。

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