左傾化する米民主党「トランプ再選阻止」なるか 「テレビ討論会」の発言で見えてきたこと
来年11月のアメリカ大統領選でトランプ大統領の再選阻止を狙う民主党の候補者指名争いが本格化した。今回初めてとなるテレビ討論会が6月26〜27日に激戦州の1つ、フロリダ州で開かれ、20人が参加した。候補らの経歴はさまざまで、民主党の多様性を印象づけた。一方で、アメリカ社会をどう改革するかについては急進的な発言が相次ぎ、全体として左傾化の傾向を明確に示した。トランプ氏にどう挑むかという党の再選阻止戦略はまだ見えてこない。
波乱含みで始まった指名争い
NBCテレビなどが主催した討論会は参加者が多いため、2日間に分かれて10人ずつが登場した。ハイライトは、2日目のジョー・バイデン前副大統領(76)とカマラ・ハリス上院議員(54)の応酬だった。
ハリス氏はジャマイカ系黒人の父とインド系の母を持ち、自らはアフリカ系アメリカ人(黒人)と名乗っている。ハリス氏は「バイデン氏に言いたいことがある」と切り出し、「人種差別政策で有名になった上院議員2人をほめたのを聞いて心が痛んだ」と語気を強めて批判した。バイデン氏はこの10日ほど前の政治献金集会で、政敵とも話し合って政策を進めることができると主張した際、人種差別者だった南部の上院議員2人と仕事をしたことを例に挙げていた。
さらに、1970年代に人種の融合を進めるためにバスで白人の児童を黒人居住区の学校に、黒人の子どもを白人居住区に運んだ「バッシング」という政策にバイデン氏が反対していたことも批判した。ハリス氏は、まさに、こうしたバスに乗って白人居住区の学校に通った1人だった。バイデン氏は「(批判は)私の立場を正確に表現していない」と語り、30年以上の議員生活で公民権運動に尽力してきたと反論した。
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