リプトン「果物入りアイスティー」が話題の理由 表参道の限定ショップに人はなぜ並ぶのか

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そして、このようにアイスティーを強力に訴求するうえで欠かすことができなかった、陰の主役といえるのが、新しい水出し専用の茶葉「コールドブリュー」である。

アイスティーを作るには、まず熱湯を注いで茶葉を蒸らし、十分に香りを引き出してから冷やす、といった具合に、手間暇がかかるものだ。

しかしリプトンでは、水出し専用の特別な茶葉「コールドブリュー」を開発。ティーバッグを水に3分浸すだけで本格的なおいしいアイスティーができるのだという。このコールドブリューは、ショップの物販コーナーはもちろん、スーパーやネット通販などでも入手が可能。ショップの味を自宅で再現できる。

「実はこの商品はまさに期間限定ショップとしての1回目、直接お客様と接する中でいただいたご意見をヒントに開発されたものです。このように、お客様との接点を増やしていけることも、当社にとっての大きな意義となっています」(中西氏)

売り上げへの影響も高いという。筆者が単純に計算してみると、3年間で累計21万人ということは、それぞれが600円のカップを注文したとしても1億2600万円。ショップの期間は1年のうち2カ月強だから、大阪店での展開を考慮に入れて、のべ10カ月から1年ほどの期間での売り上げと考えることができる。

ローソンとコラボした『瞬殺ティー』!?

さらに、ショップ人気に連動して、フルーツインティーを提供する機会も広がっているそうだ。

2016年の期間限定ショップスタート時から関わっているという、ユニリーバ・ジャパン・サービスの中西瞳氏(編集部撮影)

「昨年からローソンのMACHI cafeとコラボした商品を期間限定で販売しています。当初予定していた販売数が2日で売り切れて、『瞬殺ティー』などと呼ばれていました(笑)。今年の商品は定番のアールグレイに加えてグリーンティーです。やはりショップの味を手軽に楽しめるということが人気の理由となっているのではと分析しています。数字は公表していないのですが、ショップの展開が全体の売り上げに貢献していることは間違いありません」(中西氏)

今年のショップ開催期間は9月6日までなので、残された時間は少なくなってきたが、もちろん、来年も展開される予定だ。

「紅茶の可能性をもっと追求していきます。新しい楽しみ方は無限にあると考えています」(中西氏)

また、リプトンでは日常の中でもっと気軽に紅茶を楽しんでほしいという意図から、常設のショップ「Lipton TEA STAND」も名古屋、博多の2カ所で展開している。8月1日より、もっと紅茶を楽しめるように、との意図でメニューを刷新。烏龍茶をベースにミルクと黒糖タピオカをアレンジした新メニューや、チーズ、トロピカルフルーツを使った商品も期間限定で発売している。当地に出かけた際に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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