レクサスが国内販売でベンツに勝てない理由 日本に根付かせるために必要な戦略とは?

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また先代LSのユーザーにとっても、現行型が車庫に入らないために、グレードの低いESに乗り替えるのは不愉快だ。その結果、メルセデス・ベンツの販売店では「先代レクサスLSから、メルセデス・ベンツEクラスに乗り替えるお客様が増えた」という話も聞かれる。先代LSから同じレクサスのESやGSに乗り替えるのは抵抗があっても、Eクラスならメルセデス・ベンツだから納得するらしい。

つまり今でも「メルセデス・ベンツはレクサスよりも上級」と考えるユーザーが多いわけだ。

「車種の数」や「値引き額」に差

ちなみに先代レクサスLSには、全長が5090mmの標準ボディと、5210mmのロングがあった。それが現行型は1種類で、全長は先代のロングよりもさらに長いから、トヨタも日本のユーザーや販売店が困るのは承知していただろう。

このようにレクサスは海外を優先して商品開発を行い、結果的にではあるが、メルセデス・ベンツのほうがワゴンの設定を含めて日本のユーザーに適した商品をそろえている。これはレクサスとメルセデス・ベンツの販売格差が広がった決定的な要因だ。

車種の数も違う。数え方によっても異なるが、レクサスは11車種、メルセデス・ベンツは18車種をそろえる。さらに前述のように、CクラスやEクラスは1つの車種にセダン、ワゴン、カブリオレがあるから選択肢はさらに広がる。

値引き額も異なる。メルセデス・ベンツやBMWは、フルモデルチェンジが近づくなどモデル末期になると、メーカーが販売会社に日本法人を通じて販売奨励金を支給する。このお金を原資に値引きを拡大するから、高価格車になると、値引き額が200万円を超えたりする。

このような大幅値引きをすると、中古車価格が値崩れを起こして高くは売却できないが、大幅値引きで買ったら売却額が下がるのは当然だ。ユーザーはフルモデルチェンジ直前の車種を納得して購入できて、在庫も処分できるから登録台数を伸ばせる。

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