レクサスが国内販売でベンツに勝てない理由 日本に根付かせるために必要な戦略とは?
対するレクサスは、設計の新しいESとUXが1カ月に1000台前後を登録するが、ほかの車種はそれ以下にとどまる。UXは日本の市場環境に合ったコンパクトなSUVだから期待されたものの、実際の売れ行きは伸び悩む。レクサスでも内外装は上質とはいえず、市街地を走ると乗り心地も気になる(ステアリングホイールにまで細かな振動が伝わる)。
ESはワゴンなどを用意しないセダン専用車としては堅調に売れるが、販売店は一概に喜んでいない。
「LSは法人需要が中心になっている」
ある販売店によれば、「ESの売れ行きは好調だが、先代LSからの乗り替えも多い。LSは現行型になってボディを大幅に拡大したから(全長:5235mm 全幅:1900mm)、お客様によっては、ご自宅の車庫に入らない。その点でESは少しコンパクトだから(全長:4975mm 全幅:1865mm)、どうにか車庫に収まり、前輪駆動とあって後席を含めて車内も十分に広い。そこで先代LSからESに乗り替えるお客様が増えた。その分だけ現行LSは個人のお客様が減り、法人需要が中心になっている」という。
LSはレクサスブランドを代表する最上級車種で、人気車になるべき存在だが、ボディを拡大しすぎた。メルセデス・ベンツSクラスの標準ボディを上まわり、ロングボディとほぼ同じ大きさだ。広い駐車場を備える法人ユーザーが中心になるのも当然だろう。
そこで先代LSのユーザーがESに乗り替えると、レクサスの販売総数はあまり増えない。しかも現行LSの価格帯が981万4000円~1680万5000円なのに対して、ESは580万~698万円と安い。LSからESへの乗り替えは、販売会社にとって避けたいだろう。
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