対中関税第4弾、トランプは何を焦ったのか 「中国建国70周年」を前に習主席を揺さぶり
米中貿易摩擦は、またもツイッターでの奇襲によって一気に燃え上がった。
日本時間の8月2日未明。アメリカのトランプ大統領は、中国からの輸入品のうち、これまでは制裁の対象外だった約3000億ドル分(約33兆円)に9月1日から10%の制裁関税を課すと表明した。7月30、31日の両日に中国の上海で開かれた米中の閣僚級交渉が不調に終わったためだ。
中国外交部(外務省)の華春瑩(か・しゅんえい)報道局長は2日の定例会見で、「アメリカが制裁関税を講じるのであれば、中国は必要な対抗措置を取らざるを得ない。われわれは重大な原則問題では一寸たりとも譲歩しない」と猛反発した。
【2019年8月3日8時41分注記】初出時の記事で「中国外国部」となっていましたが、上記のように修正いたします。
日経平均は一時500円以上も値下がり
このニュースを受け、2日の日経平均株価は一時500円以上も値下がりした。為替市場もドル円相場は1日で2円以上円高が進み、1ドル106円台まで円高が進むなど、市場は大きく反応した。だが、この先の展開を考えると手詰まりの感もある。
9月には再び米中閣僚級交渉が開かれることが決まっており、8月中も事務レベルの交渉は続けられる。ではなぜ今、トランプ大統領は制裁関税というカードを切ったのか。
中国ではまもなく「北戴河会議」という、長老も含めた非公式の共産党幹部会が開かれる。また、10月には建国70周年という大イベントを控えている。ここで中国を揺さぶれば、習近平国家主席の譲歩を引き出しやすいという読みが、トランプ氏にはあったのかもしれない。
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