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最賃上げても消費税廃止は低所得者を苦しめる 第4次産業革命時代における「意外な関係」

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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今日的な最低賃金制度は、1894年にニュージーランドで導入されたのが最初とされ、1910年代にイギリス、アメリカ、フランスなどで次々と導入されていった。

当時は第2次産業革命後の工業社会全盛の時代である。時間を費やして定型化された仕事をすればするほど、生産量が増えるという産業構造の中で生まれたといってよい。そして、就労者の労働生産性に見合わないほど低い賃金が支払われるのを防ぐことで、低所得者の貧困を防ごうとした。

成果型報酬に最低賃金はそぐわない

最低賃金制度によって貧困を防止するためには、労働によって生み出される成果と労働時間が比例することが大前提となる。労働時間を費やせば費やすほど生産量が増加する関係があって初めて、時給や月給などの労働時間当たりの賃金が最低限を下回らないように規制する、最低賃金制度が意味を持つ。確かに、工業社会はそうだった。

同じ成果をあげるのに、短い労働時間であげられる人と、労働時間を長くかけないとあがらない人との差があまりにも大きいと、同じ仕事でも時間当たり賃金を誰でもほぼ同じにするわけにいかなくなる。この場合は、時間ではなく、あがった成果に応じて賃金を払う報酬の払い方のほうが理にかなう。

成果に応じて賃金を払う場合、経営者は労働時間管理を厳密にする必然性がなくなるため、最低賃金制度がうまく機能しなくなる。それは、最低賃金制度は労働時間当たりの賃金の最低限を規制しているにすぎず、成果に応じて支払われる対価の最低限を規制したものではないからだ。オーナー経営者である自営業者に最低賃金制度が適用されないのと同じことを意味する。

第4次産業革命がもてはやされる以前から、日本でもその前兆はあった。それは業務の外部委託の動きで、企業が直接雇用契約を結んだ従業員に業務を任せるのではなく、他社に業務を委託することが始まった。従業員への対価は人件費(賃金)だが、他社に委託した業務に対する対価は物件費となる。

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