そして真剣交際から4カ月が経ってもそんな調子だったので、私は摩耶が結婚についてどう考えているのか、彼女の仲人に聞いた。すると、摩耶には、慎重にならざるをえない過去のトラウマがあった。
「彼女がバツイチなのはご存じだと思います。前の結婚も相談所で出会った方としたそうです。とてもいい条件の方だったし、お相手の押しも強かったので、出会って3カ月で結婚を決めてしまった。
ところが、結婚をしてみたら、ささいなことでキレる男性で、彼女に暴力は振るわないものの、大声で罵詈雑言を浴びせるモラハラ男だったそうです。お付き合いしているときには期間が短かったからか、それが見抜けなかった。だから、今回は結婚に慎重になっているようなんです」
どこで結婚の決断を下せばよいのか
摩耶の仲人に言われたことをそのまま雄介に伝えると、彼は大きなため息をついた。
「結婚するって難しいですね。結婚をしたいという両方のタイミングが合わないと、結婚はできない。あと、10年不倫をしている彼女じゃないですけど、出会って付き合う時間が長くなると、腐れ縁というか、結婚できないことがわかっていても、なかなか別れることができなくなるんですよね。これまで結婚って、簡単にできるものだと思っていたけれど、そうじゃないんだってこの歳になって実感しています」
そして、2週間後に雄介から私の所に連絡が入った。
「今日、摩耶さんと話をして、交際を終了することにしました。彼女から、『やはり結婚に踏み切る気持ちには、今はなれない。このまま待たせているのも心苦しいし、交際終了にしてください』と言われたので、その気持ちを受け入れました。過去にトラウマがあるというけれど、相手が僕じゃなかったら、彼女も結婚に踏み出せたかもしれないですしね」
結婚は、“選ぶこと”と“選ばれること”がイコールにならないと成立しない。そこは、お互いが“結婚したい”と思うタイミングも大事なのだろう。
雄介の婚活は振り出しに戻ったが、彼は結婚することを決して諦めてはいない。そんな彼を、これからもサポートしていきたい。
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